Day1743 2018.8.17 リビングストン4日目〜ヴィクトリアフォールズ〜
熱を出してから今日で3日目。
今日こそは出発するぞ…と思いながら起きてみると、熱は引いているようだった。
まだ完治には至らないけど、昨日までに比べれば幾分かマシになっている。
コレだったら動けるかも…
本当だったら、完治するまで動かない方がイイんだけど、この何も無い場所で足止めするのは精神的にも良くない。
エチオピアでの足止めの連続が相当トラウマになってるっぽい。
一緒に居るタローくんにも申し訳ないし、急がないといけない理由もある。
少しでも先に進まないと。。
起き上がって荷物を片付けるんだけど、少し動いただけでも息が切れるような感じ。
相当、体力が落ちてるんだと思う。
それでも昨日までに比べれば…
このまま落ち着いてくれればイイんだけど、心配な部分もある。
マラリアは熱が出たあと1度熱が下がるらしいのだ。
それで治ったと勘違いして、放置して悪化してしまうケースが多いらしい。
これだけ心配なら病院に行けばイイのに…と自分でも思ってしまうんだけど、病院嫌いなんだよな。。
面倒だし、行ったら行ったで「あなたは病気です。」って宣告されて、それだけで病気が悪化しそうだ。。
チェックアウトの時間に合わせて、宿から世界三大瀑布の1つヴィクトリアフォールズ(ヴィクトリアの滝)までの無料の送迎バンがあるらしいので、それに乗り込むために急いで支度をした。
今日はこれからザンビアとジンバブエの国境に向かって、ジンバブエに入国してジンバブエ側からヴィクトリアフォールズに行って、そのあとジンバブエのカサネまで行く予定だ。
無事にそこまで辿り着けるとイイんだけど…
バンに荷物を乗せて宿を出発。
しばらく走った所で車を降ろされた。
そこはザンビア側のヴィクトリアフォールズの入口だった。
さて、ココからどうやってジンバブエとの国境まで行くか…
その前に両替もしておかないとな。。
そんなコトを考えていると目の前を何かが横切った。
ヒヒだ。
しかも、めちゃくちゃデカい…!!
めちゃくちゃデカいヒヒがそこかしこに居る!!
普通に怖いし!!
牙も鋭いし腕力もありそうで、狙われたらひとたまりもない。
こんなとこ普通に歩かんでくれ…!!
ザンビア側のヴィクトリアフォールズの受付の人たちに聞き込んだ結果、ジンバブエとの国境に行くには交通機関が無いので、歩いていくしかないとのコト。。
地図で見ると1.6kmと病み上がりきってない身体には酷だけど、それしか方法が無いなら仕方がない。
気合いで何とかするしかない。
荷物を転がしながら、国境へ向かった。
国境へ向かう道路に入ると、どこからか若い男が数人現れて「20億ジンバブエドル買わないか??お土産にどうだ??50ドルでいいぞ。」と声をかけてきた。
20億ドルジンバブエドル…
そうだ、ジンバブエは確かハイパーインフレになって自国通貨が廃止されたんだっけ。
むちゃくちゃなインフレで、お札に書かれている数字がアホみたいな桁になってたんだ。
最高額紙幣で100兆ジンバブエドルがあるらしい。
「100兆ジンバブエドルは無いの??」
「しょうがないな。100兆ジンバブエドルあるぞ。」
「偽物なんでしょ??」
「いや、本物だ。」
今、出回っているものは偽物ばかりで、お土産屋にも売っている紙幣は偽物ばかりと聞いている。
「偽物ばっかって聞いたよ。50ドルは高過ぎだしね。」
「本物、本物。分かったよ、20ドルでどうだ??」
一瞬、買ってしまおうか迷ったけど、どこのお土産屋にも売ってるらしいし、どうせ偽物なので買うのはやめた。
そのまま歩いているとザンビア側のイミグレーションの建物に辿り着いた。
まずはココでザンビア出国の手続きだ。
建物に入って、パスポートを出して手続き完了。
すると建物の横に“フリーマラリアチェック”の文字が目に入った。
おそらく検疫の建物だ。
「あそこでマラリア検査してくれるっぽいね。行っとこうかな。」
「確かに行っといた方がいいんじゃないっすか??」
「ちょっと行ってみるわ。」
小さな建物に入るとおばさんが座っていた。
「すみません、マラリアの検査して欲しいんですけど。」
「マラリアの検査ね。いいわよ。こっちに来なさい。」
おばさんが中に案内してくれた。
椅子に座ると机の中から検査キットを取り出して、説明をしてくれた。
「で、今はどこか調子が悪いの??」
「昨日まで2〜3日熱が出て、寒気と吐き気がして、もしかしたらマラリアかと思って…」
「そうね、検査しておいた方がいいわね。」
「じゃあ、手を出して。」
手を差し出すと指先を消毒され、針で指先を刺された。
プチッ☆
一瞬の出来事で驚いたけど、検査はコレだけであとはキットに陽性か陰性か出るのを待つだけだそうだ。
もし、ココで陽性反応が出たら、速攻で入院。
聞いた話によると1週間は入院しなくてはならないらしいし、状況によってはそのまま帰国のパターンもあるらしい。
アフリカ縦断もラストスパートに差し掛かって、もう少しだというのに、これ以上の足止めは許されない。
何よりも中途半端な形での帰国なんて絶対にしたくない。
頼むからマラリアにかかってないでくれ。
指先の血を棒で取って、陽性か陰性か確かめるキットに付着させて、そこに液体を垂らした。
すると、メーターのようなものがグングンと勢いよく上がっていく。
この検査キットがどうなれば陽性で、どうなれば陰性なのかが分からないので、不安のまま待つしかない。
たったの90秒なんだけど、それがとてつもなく長い時間に感じられた。
メーター部分から線が浮き上がってきた。
オイオイオイオイ…何だ、その線は…
オレは真性なのか??
仮性なのか??
そんなコトを考える余裕は1ミクロンも無かった。
本気の本気で焦りと不安の真っ只中に居た。
頼むから、陰性反応出てくれ…!!
おばさんがゆっくりと口を開いた。
「ふむ…どうやら疲れが溜まってたみたいね…ココに線があるのが分かるでしょ??その線が2本出ると陽性なのよ。」
「線ですか??」
「そう。線は…」
ドクンドクンと心臓が高鳴るのが分かった。
結果は…
「2本ね。マラリアじゃないわ。」
「マラリアじゃない??」
「マラリアじゃないわ。熱は疲れが溜まってたから出たのよ。」
「うわぁぁぁぁぁぁ、よかったぁぁぁぁぁぁぁぁ。。」
「まじで良かったっすね…!!」
「まじで良かった。良かったわぁぁ。。これで一安心だわ。」
「マラリアじゃないって分かっただけでも元気出ますね。」
「ホントそうだよぉ。。」
風邪で体調不良に変わりはないけれど、マラリアじゃないってのが分かっただけでも精神的な不安が取り除かれて元気が出た。
「これで安心して旅再開できますね!」
「再開しよう!!」
おばちゃんが薬を処方してくれたので、それをもらって建物を出た。
おばちゃん、ありがとう!!
検査を受けている間は本当に気が気じゃなかったけど、マラリアじゃないって分かって本当に良かった。
こんな中途半端な気持ちじゃ、日本に帰れない。
応援してくれる人やブログの読者さんに何言われるか分かったもんじゃないし、何より自分自身が納得しない。
今までの旅の中でも上位に入るくらい焦ったけど、とにかくマラリアじゃなくて本当に本当に良かった。
そうは言っても体調は芳しくないけど、何よりまず一安心。
次に目指すはジンバブエ側のイミグレーション!!
さぁ、旅再開だ!!
To Be Continued →
今回泊まった宿: Fawlty Towers
住所: 216 Mosi O Tunya Road, ザンビア
HP: adventure-africa.com
Trip Advisor: Fawlty Towers
Booking.com: Fawlty Towers
ザンビア側イミグレーション: Victoria Falls Border Post
住所: Mosi-Oa-Tunya, Livingstone, ザンビア
営業時間: 6:00〜20:00
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