Day1728 2018.8.2 カイアファール4日目
ドンドンドンドンドンドン…
「起きろ!!生肉食べに行くぞ!!」
早朝、ガイドがドアを叩く音で目が覚めた。
今日はツアーは無しでフリーなんだけど、オレたちが生肉を食べたいというのを聞いて、連れて行ってくれるコトになった。
エチオピアでは生肉を食べる習慣があり、屠殺したばかりの新鮮な肉を食べるらしい。
この辺りは毎週木曜日が屠殺日で、今日がその屠殺日ってワケだ。
冷蔵、冷凍技術があまり発達していないので、潰したばかりの肉じゃないと安心して食べられないそうなので、朝から生肉。
ハードな気もするけど、このタイミングを逃したら食べる機会無いだろうなぁと思い、支度をして外に出た。
ガイドとその友人たちと歩いて近くの食堂へ。
実は昨日の夜もこのお店に来ている。
その時、中庭には1頭の牛が居て、木に繋がれていた。
そう、その牛が肉になって今日出されるのだ。
牛は死期を悟ったのか、何とか逃げようと暴れるのだが、しっかりと繋がれたロープが切れるコトは無く、ただ悲しい叫び声を上げるしか出来なかった。
お店の中に入ると、牛は肉に変わっていた。
すっかり肉に変わってしまった牛は壁にいくつかに分けられて掛けられていた。
あぁ…数時間前に見た牛か。。
テーブルでは、カップルが美味しそうに生肉を小分けに切って食べていた。
実際に潰す場面を見たワケでは無いけれど、動いていた牛が肉の塊になったのを見て、改めて命を頂いて生かせてもらっているんだなぁ…と思った。
ガイドが何かを注文してくれたので、それが運ばれるのを待った。
「本当に食べるのか??」
「ここまで来たら食べるしかないでしょう。生肉美味しいの知ってるし、この先いつ食べられるか分からないからね。」
「腹壊しても知らんぞ。」
「まぁ、そこは運でしか無いよね〜。」
そんな話をしていると、皿が運ばれてきた。
銀の皿の上には色んな部位の肉が乗っかっていた。
大きなものは拳2つ分くらいで、小さなナイフで一口サイズに切って食べるらしい。
その様子を動画で撮っていたら、友人のプチプチが口に運んでくれた。
もぐもぐ…
うん、美味い!!
コレは何だろうなぁ…クジラの肉のような…
赤身のマグロをもう少し弾力強くしたような…
弾力はありつつもとても柔らかい。
美味い、美味いぞ!!
気になるのはやっぱり寄生虫だとかサルモネラだとかの菌だけど、この美味さには勝てない…!!
不安はあるけど、食べちゃうよね…!!
日本じゃ生肉は禁止されてるし、なかなか食べるコトが出来ない。
生レバーとか、禁止されてるものほど美味いような気が…
モグモグみんなで食べていたら、あっという間に完食。
入れ替わりで次の皿が到着。
どの部位も美味かったけど、コブの部分が脂が乗っていて美味い。
こりゃ、たまらん。
あっという間に完食でもう一皿追加。
今度は焼きで頼んだんだけど、色んな部位のホルモンが入っていて、これも美味。
やっぱりコブが美味いんだなぁ。。
エチオピアで、こんな美味いと思えるものに出会うとは…!!
あっという間に平らげて完食。
牛さんから頂いた命はオレのエネルギーさせていただきます!!
ごちそうさまでした!!
宿に戻って、データの整理をしようとパソコンとハードディスクを開くと、そこには絶望しか無かった。。
またハードディスク壊れてる。。
いくら繋いでも中身が表示されない。
今まで何度も壊れてきた…経験したくない経験を活かして、あの手この手で復活させようとするも今回はどうにもダメらしい。。
情報を検索してみてもダメ。
はぁ…またやっちまったのか。。
そりゃそうだよな。。
アフリカ縦断始まってから、過酷な移動の連続。
本当に冗談で無く飛び跳ねるようなバスに何度も乗ってきた。
ハードディスクを手に持ってブンブンとシェイクするようなもんだもんな。。
そんなバカなコトするヤツいないし。。
ハードディスクを持ってみると中からカラカラと音がするので、やっぱり物理破損らしい。
中のツメが折れている可能性が高い。
調べたところ物理破損なら直る可能性が高いらしいから日本に帰ったら、ちゃんと調べてみよう。
それにしても、どうしたもんか。。
数時間かけて、何とか過去のデータを発見したので、予備のハードディスクに移したけど、アフリカ縦断編の1番大事なスタートの部分からスーダンのデータが消えている。
死にそうになりながらカイロの電車に乗った映像はスリリングで興奮が画面から伝わってくるだろうと思っていたのに。。
体調も悪いまま、なかなか治らないし…
あぁ…アフリカ縦断過酷過ぎる。。
そうこうしている内に昼になっていたらしく、ガイドが昼メシ食いに行こうぜと誘ってくれたので、また近所の食堂へ。
ココでも生肉が食べられるらしい。
そりゃ頼むしかないよね…!!
今回、注文したのはコチラ!!
生肉を細くミンチしてハンバーグを焼く前のような状態にしたもの。
そこにオリーブオイルと塩をかけて味付けしている。
ユッケやタルタルに近い感じかな??
一口食べてみて驚き!!
美味い!!美味すぎる!!
口の中でとろけるように広がって、肉の脂と塩加減がイイ感じ!!
とろっとろ〜!!
これは美味すぎる!!ってんで、あっという間に完食して、もう一皿追加!!
タローくんも美味い美味い言いながら食べて2人で大満足!!
朝食べたのも美味かったけど、こっちの方が好きかも〜!!
たまらんッ!!
こっちも美味かった〜!!
猫も欲しそうに見上げてる。
骨の部分あげたらバキバキ言いながら美味そうに食ってたな。
よくあんな硬いの食べれるな〜と思って、試しに噛んだら意外と柔らかくてビックリ。
それならと調子に乗っていっぱいあげてしまった。
猫カワイイ。
それにしても、今いるカイアファールは何も無い。
何でこんな所に町が出来たんだろう??
特産品みたいなのがあるワケでも無さそうだし、民族の村から超近いかって言われたらそうでも無いし。
みんなヒマそうにコーヒー飲んでるだけだし。
謎の多い町だ。
ヒマ潰しに空からカイアファールの町を見てみた。
やっぱり何も無いみたいだ。
町の人たちは優しい感じで、よく絡んできてくれるから居心地はイイ。
夜になると街灯も無いので星がキレイに見える。
本当に敷き詰められたような星空がキレイだ。
さて、現実世界に戻るか。。
パソコンの中を隅から隅まであさって、失ったデータを拾い集める。
何とか写真のデータを見つけるコトは出来たけど、全部編集する前のものばかりで、今まで作ってきた写真や動画たちの完成後のデータは見つけるコトが出来なかった。
写真なんかは特にその時に自分の目を通して見た雰囲気や感情を込めて編集している。
だから、元のデータが残っていたとしても再び同じ状態に編集出来るコトはまず無い。
ありがたいコトにアメリカ縦断の写真集を再販して欲しいという声を頂いているので、どうしたもんかと…
あぁ、困った…
どうしてこうも困るコトばかり起こるんだろうなぁ。。
でも、逆に考えればマイナスなハプニングが起こるんだったらプラスのハプニングも起こるハズなんだよな。。
ん〜人生って深いなぁ。。
ドンドンドンとドアを叩く音で現実逃避の世界から戻ってきた。
「何か日本人っぽい人来ましたよ。」
「まじ??どんな人??女子??女子??」
「残念ながらおじさんです。」
「おじさんか〜。プラスのハプニングは起きなかったか。。」
「何すか、それ??」
「いや、何でもない…ゴホゴホ。とりあえず、声かけ行ってみる??」
「そうっすね。もし、明日一緒に行くならツアー代安くなるかもしれないですしね。」
「そうだね。行ってみるか。」
おじさんが泊まっている部屋に向かうと自転車が置いてあった。
ちょうど部屋から出てきたので、声をかけると日本人ではなく香港の方だった。
「アァ、日本人デスカー??」
日本の企業で長年働いていたみたいで、流暢な日本語を話せる方だった。
今はリタイアして、自転車であちこち旅をしてるらしい。
ガイドを紹介して欲しいとのコトで、自分たちのガイドを紹介するコトに。
いつもその辺にいるのに、こういう時に限って居ないっていうね。
適当にその辺の人に声を掛けたら電話で呼んでくれたので良かった。
「これから晩ゴハン行きますけど、どうですかー??」とお誘い頂き、一緒に行くコトに。
真っ暗な道を歩いているとガイドが急に現れ、一緒に食堂に行くコトになった。
一軒の食堂に入り、ツアーの話を進めた。
コレがまた苦痛の始まりだった。
端折って言ってしまえば、こんな感じ。
オレたち「明日、一緒にツアーに行くならツアー代安くならない??」
香港人「民族の村1つ行くのにその値段は高い。」
ガイド「5日間のパッケージだから値段は変わらないしパッケージだから安くなってる。単独ではその値段。」
そこからは白熱した議論が展開される。
というよりも、香港人の「高い!!」、ガイドの「高くない!!」の応酬。
もはや水掛け論。
オレとタローくんは黙って聞くしか出来ない。
一刻も早くこの場を去りたかった。
何とかお互いの妥協点を見つけて提案するもお互いブチ切れて収束。
あぁ、国民性丸出しなテーブルだったな。
やっぱ我々日本人は主張するより何も言えず見てる側なんだなと思った。。
お互いの悪口を間に挟まれながら聞くという地獄。
お互いイイ大人なんだからやめなさいよ。。
「ちょっと1軒寄ってこうぜ。」とガイドが言うので、またバーに行くコトになった。
また昨日飲んだタッジというハニーワインを注文して、色んなジャンルの話になった。
ココでようやくガイドの名前が判明。
今更…!!と思うけど、オレも思ってる。
彼の名前はイショー。
年齢は若いけど、色んな知識を持っていて賢いと思う。
現地民族の言葉をいくつも操れるし、勉強熱心な所もある。
彼との会話で1番印象に残っているのが、こんな話。
「どうすれば日本人のお客さんが来てくれるようになるんだ??アスマモって男を知ってるか??」
そう、以前このブログにもチラッと名前だけ出たアスマモというガイド。
「どうして、彼は日本人の旅行者の間で有名なんだ??」
正直言って答えは知らないけど…恐らく有名な旅行ブロガーのブログに登場したんだろう。
エチオピアを旅行しようとしてる人が情報検索で引っかかって、それで知ったってのが1番だろうなぁ。
「アスマモとは直接何回もあったコトがあるけど、彼の英語はイマイチだし現地の言葉がそんなに出来るワケじゃない。それにガイドと言っても通訳するばかりで、旅行者を楽しませようと努力するコトが少ない。俺は旅行者がしたいコトをして満足させてあげたいんだ。」
確かに今日だって、本当はフリーで会う予定は無かったけど、オレたちが生肉を食べたいって言ってたのを覚えていて、わざわざ朝迎えに来て食堂に連れて行ってくれた。
「俺はもっとエチオピアの良い所をみんなに知ってもらいたいんだ。お金も稼ぎたいけど、満足してもらって得る対価としてのレベルでだ。ボッタくったりするヤツらも居るけど、そんなんじゃ短期的にしか稼げない。もっとお客様ファーストで考えてやらないとダメだ。」
見た目や普段は若者って感じだけど、考えがしっかりしていて、応援したくなった。
ホントに彼はオレたちがやりたいと思うコトを優先してプランを変えてくれるし、ヒマしてないかつまらなさそうにしてないかというのを考えて、色々と提案してくれたり、色んな場所へ連れて行ってくれる。
彼だったら友達に紹介したいと思える人物だ。
もし、エチオピアに行く際は彼に連絡してみるとイイかも。
それについては、また後日民族巡りのまとめ記事で書くとするか。
今日も甘いハニーワインに酔っ払ってしまったな〜。
今日はぐっすり寝れそうだ。
明日はこの前行ったのとは別のバンナ族の村で牛飛びと鞭打ちの儀式だ。
ハードな1日になりそうだな〜!!
それでは、おやすみなさい…
そして、深夜に地獄が待っていた。。
ギュルルルルルル…
う、コレはヤバい…
トイレに駆け込んだ。
ピーーーーーーーーーーーーー
腹…大爆発…!!
トイレから出られない。。
ようやく這い出てベッドに戻ったと思ったら、第二波。。
あの生肉に当たってしまったか。。
美味かった…けど…
こ、これはキツい…
トイレとベッドの往復。
体力の消耗がハンパない。
やっと治ったと思っても、怒涛の波状攻撃で眠るコトも出来ない。
30分に1回は激痛が走りトイレに駆け込む。
それを朝まで繰り返して、結局一睡も出来ないまま朝を迎えるコトになったのだった。。
To Be Continued →
エチオピアで生肉食べたら地獄が待ち受けてた…

2013年11月から3万円とギターを持って世界一周の旅へ!!路上演奏とアイデアで稼ぎながらサバイバル!!知識と技術で生きていく!!をモットーに活動中!!
メディア出演や執筆のお仕事はコンタクトからご連絡ください!

この記事が気に入ったら
いいねしよう!
最新記事をお届けします。
コメントを残す