Day241 2014.7.7 フィレンツェ7日目
表通りでスタート。
火曜日というせいか、人通りが少なく、歩いている人たちも心無しか活気が無い。
ギターを出して唄い始める。
が、素通りしていく人が多い。
「何やってるんデスカー!!元気デスカー??」
フィレンツェにも日本語が話せる人がチラホラ居るようで、物珍しさから日本語を話せる外国人が何人か絡んできてくれるが、「頑張ってネー!!」と声を掛けてくれるのみで、コインの数は変わらなかった。
何だか反応がサッパリで元気が無くなって来た所に頭上から何かが飛んできた。
ベチャッ…
それは何と唾だった。
カンベンしてくれよ。
それも1つや2つでは無い。
上手いコト避けながらやっていたが、遂にギターケースにそれがかかった。
上を見るとスキンヘッドのおっさんが煙草を吸いながら、それをしているのが見えた。
わざとじゃないなら、まだしも完全にわざとやってるようだった。
頭に来て、近くにあった空き瓶を手に握った。
それを肩まで上げた所でおっさんは窓の奥に首を引っ込めた。
うるさいならうるさいと一言言えば、直ぐに移動する。
それなのに言葉にもせず、唾を吐きかけるという粗野な行為をしてきた。
理解不能。
男は5階。
この空き瓶を投げた所で届くかは分からない。
周囲の目が気になり、そのまま振り上げた手を下ろした。
悔しい。
冷静な自分も居て、空き瓶が命中せずに落ちて来れば面倒なコトになるのはわかった。
もうココでは出来なくなるだろう。
悔しいがギターケースについたそれを紙で拭き、その場を離れた。
腹の虫が治まらず、少し離れた場所に座り込んだ。
悔しい。
いつだって、そう…このやり場の無い怒りや負の感情を消化するコトの難しさ。
簡単なコトじゃない。
ドコへもぶつけるコトの出来ない感情は自分の中でいつまでもグルグルグルグルと回り続ける。
忘れてしまえば、気にならないのだろうけど。
頭の中で思う程、すんなりと行くものでは無い。
忘れるって行為は、どうしてこんなにも難しいものなんだろう。
普段、大事なコトなんかは簡単に忘れてしまうクセに、忘れたいと思うといつまでも頭の中にこびり付いて離れない。
忘れてしまえば、どんなに楽だろうか。
もう待つコトも追うコトもしなくて良いのに…
少し休憩を挟んで、立ち上がった。
切り替えが大事だ。
いつまでも、クソみたいなヤツのコトで悩んで地面に座ってたら、ただのゴミ屑になっちまう。
気合いを入れて立ち上がった。
フィレンツェの街中には2本のメインストリートがある。
むしろ2本しか無い。
もう1本のメインストリートに移動して、工事中の建物の前で気持ちを切り替えて唄い始めた。
すると1人の日本人の方が話しかけてきてくれた。
バーバラさんという方で、彼女もバックパックを背負って旅をしているとのコト。
旅に出る前は原チャリで日本一周して、それがキッカケで岡山のゲストハウスで女将さんをやってたとのコト。
そして何より、このお方は何と路上詩人!!
同じ路上に生きるパフォーマーだった。
路上詩人と言えば、『吟じます…ッ!!』では無く、路上で出会った人にインスピレーションでメッセージを贈るメッセンジャー。
話していて、とても朗らかで原チャリで日本一周しちゃうような風には全然思えなかった。
世の中には、また面白い人が居るんだなぁというのが分かった。
またお会いしましょうという約束をして別れた。
その後も唄い続けるが、やっぱり気持ちが完全に切り替わるコトは無く、バーバラさんにもらった元気も底を尽いてしまった。
気持ちというのは歌に乗り易いのか、はたまた俺のストレートに感情が表面に出てしまうクセが出たのか、チップの入りも伸びない。
今日はもう切り上げよう。
あがりは24.36ユーロ。
火曜日だし、こんなもんだろう。
嫌なコトは寝て、その日の内に忘れる…!!
いつまでも過去に囚われないように生きなきゃ。
栄光も失敗も過去のものは過去。
今に持ち出せる物では無い。
過去に得たものは経験として、今に活かす。
それだけ。
失敗や悔しい思いをしても、それで終わりじゃない。
死ぬまで、終わるコトは無い。
そして、死ぬまで挑戦する権利が俺たちにはある。
すんなりと納得出来ない事もたくさんあるけど…
行けるトコまで行って、やれるだけやってやろうじゃないか。
To Be Continued →
Day241 時には悔しい思いもする。
2013年11月から3万円とギターを持って世界一周の旅へ!!路上演奏とアイデアで稼ぎながらサバイバル!!知識と技術で生きていく!!をモットーに活動中!!
メディア出演や執筆のお仕事はコンタクトからご連絡ください!
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