Day186 2014.5.13 ローマ再び25日目
今日はスージーさんOの誕生日。
いつもお世話になりっぱなしで、俺からは何も出来ていない。
2人はいつも「先行投資だから!」と言って見返りを一切求めない。
それでも、いつもしてもらってばっかりは忍びない。
いつも甘えてばっかり。
子供の頃から人に甘えるということが苦手で、何でも自分でやるコトを心がけてきた。
しかし、人間というものはどうしても1人で出来ないコトが多いらしい。
いつも1人で抱え込んで、周りに迷惑をかけないように…自分の中で解決しようとするけど、結局の所は自分のキャパシティから溢れてしまい、他人に迷惑をかけたり爆発してしまうことが多々あった。
この旅では人に甘えるコト、これも覚えなければいけないと思い日本を出た。
そうは言っても人に甘えることを避けてきたから、どうやって甘えたらイイのか分かんない…ってのが正直な所なんだけど。。
そんな所に、もう1ヶ月以上もお世話になっているスージーさんの誕生日がやってきた。
これはチャンス…ッ!と思い、数日前から自分の中で計画を練っていた。
誕生日は奮発して、いつも行くショッピングモールの中に新しく出来た食べ放題のお店に行こうという話に先日からなっていた。
そんなワケでここいらで、少しサプライズでもやって驚かせてみようかなと。。
今日は日曜日なので、路上には行かず、のんびりと作業をした。
完成したのがコチラ!!
どぞ!
YAKKEN CHANNEL【#007】バルセロナの魅力!!〜総集編〜
作業を済ませ、日が沈んだ頃にショッピングモールへ。
スージーさんとKさんが携帯電話の契約に向かったので、その隙をついて先にお店に向かった。
お店のスタッフを捕まえて話をした。
「実は今日友達の誕生日で、サプライズをしたいと思うんだけど席を取っといてくれるかな??」
「そうなのかい。OK、席を取っておくよ!静かな席とブュッフェに近い席どっちがいいかな?」
きっと2人のコトだから、ブュッフェに近い席を選ぶと思うけど…
「とりあえず、静かな席をお願いします。後で変わるかもしれないけど。」
「OK、その時にまた聞くよ!」
「あとシャンパンをお願いしたいんですけど。」
「OK、どれにする?」
「恥ずかしいけど、安めのヤツでお願いします。」
「わかった。乾杯の時に持っていくかい?最初に一杯お店から出るけど。」
「そしたら、落ち着いた時にお願いします。あと、友達が2人来るんだけど、先にお金を払っておきたいんだけど大丈夫かな??」
そう言って、掻き集めた小銭を見せると笑われた。
「どうしたんだいその小銭は?」
「実は路上で音楽をやってお金を稼いでるんだ。小銭ばかりで申し訳ない。これが俺の持ってる全部なんだ。」
「そうかい、そうかい。そういえばナボーナ広場でやっていないかい??」
「ナボーナ広場ではやってないけど、カンポデフィオリかトラステヴェレでやってるよ。」
「そうだ、カンポデフィオリだ!見たコトあるよ!日本人のマジシャンもいないかい??」
「そうそう日本人のマジシャンもいるよ。彼も後で来るよ!」
「そうか、それは楽しみだ!」
「じゃあ、また後でよろしくね!くれぐれも2人には内緒でね!」
「OK!大丈夫、秘密にしておくよ。」
お店は後にしてスージーさんとKさんの下に戻った。
スーパーが閉まってしまう前に、先に買い物をしてレストランへ向かった。
レストランに入ると先程の店員がウィンクで目配せをしてくれた。
「静かな席とブュッフェに近い席どちらにしますか?」
「じゃあ、ブュッフェに近い席で!ニーニー」
おぉ、やっぱりそうきたか。
「やっぱレストランで食事はいいね。いつも回ってばかりだからね。ニー」
「そうですね、いつもこうやって落ち着いて食事はできませんからね。」
とは言いつつも、サプライズが成功するかどうか気になって、落ち着いて食事は出来なかったけど…!
ある程度食事も進落ち着き、一段落ついたのでこっそりとお店の人呼んでそろそろお願いしますと伝えた。
運ばれてくるシャンパン。
2人は目を丸くして「ココではない」と店員に伝えた。
店員はニコっと笑って、「ココで合っていますよ。」と2人に伝えた。
それでも「ココではないハズ…」と言う2人。
あまりにも否定するので、僕からですと伝えた。
「誕生日おめでとうございます!」
「うそでしょ??いつの間に??」シャリーン
「まあ、そこは秘密です。マジシャンにジョブチェンジしようかな。」
3人で乾杯。
あまりにも突然のコトだったようで、びっくりしたままの2人。
いつも2人は、「自分たちもいろんな人に助けてもらったから」と言って俺からのお返しは受け取らない。
しかし、こうやって長いコトお世話になって、チャンスがあると言うのならば2人にも少しはお返しをしたい。
もちろん、2人やたくさんの人にもらった恩は回していくつもりだ。
その時その場で俺と関わってくれた人たちに。
それはタイミングだと思っているし、運だとも思っている。
食事を済ませ、Kさんが会計に向かった。
席からはレジの人とKさんの会話が聞こえなかったが、おそらく「もうお会計は済んでいますよ」と言われたのだろう。
Kさんがアタフタしている様子から伺える。
それでも会計をもう一度しようとした所で、レジの人がこちらをに手のひらを差し出した。
「どういうこと??ニー」
「そういうコトです。」
「無理しなくていいんだよ。」
「無理なんかしてませんよ。どうせ、1人だったら稼げなかったお金だし、今の僕にできる事はコレくらいしかないです。お金は、また明日から稼ぎに行けばいいんです。それに僕がお金を持っていても、また誰かに盗られてしまうかもしれないし、だったら誰かの為に何かしたいと思ってやっただけです。」
「そうかい、ありがとう。それにしても全然気付かなかったよ。ニー」
「やっぱり、マジシャンにジョブチェンジしようかな。」
今回の旅でも…いや、旅に出る前からお金が貯まってくると必ずと言っていい程、そのお金のほとんどが飛んで行ってしまう。
まるで、仕組まれたゲームのように。
ばぁちゃんが、ウチの家系は金は貯まんないんだよ。って言ってたけど、見事に受け継いでるわ。
今回、こうやって貯めたお金を使ったけど、自分の意思でお金が使えるって本当に清々しいんだな。
いつも取られてばっかだけど。。
今回はお金という秤での話になっちゃうけど、人からもらったものは人に流していく方が良いと思う。
自分の中だけに留めておくと、結局それは腐っていってしまう。
水と一緒かな。
水も一所に留まってると腐っちゃうけど、流れている限り腐るコトは無い。
プラスのモノに限るけど、自分が受けたモノを人に流せば、その人も良い気分になる。
笑顔しかり、思いやりしかり…
結局、人は独りで生きていくコトなんて出来ない。
誰かを頼って、誰かに頼ってもらって、ようやく自分がそこに存在する価値が出来るんだと思う。
金八先生じゃないけど、人は支え合って生きていくんだと。
独りで生きていたら、それは本当の意味で生きていると言えるのか。
他の誰かと喜びを分かち合ってこその生じゃないか。
また1つ思い出が出来たコトを幸せに思う。
幸せはお金じゃない。
こうやって、誰かと思い出を共有するコト…それが本当の幸せだ。
To Be Continued →
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