Day177 2014.5.4 ローマ再び16日目
朝起きるとKさんが自転車を修理していた。
「おはようございます。すみません。本当に。。」
「おはよう!大丈夫ですよ、なんとか直ると思うから!ニーニー」
先日の出来事だが、また”スタンド”を発動してしまったらしい。
ホントに周りの色んなものが壊れていく…
昔から周りにあるものがよく壊れる。
ひどい時は1ヵ月の間に冷蔵庫、トイレ、テレビ、パソコンが次々と壊れた。
近くにあるグラスが落ちるコトもザラにある。
そんなせいで俺が何か物を壊すような印象持っている人が多い。
確かに故意に壊してしまうこともあるけど、触れてもないのに壊れるコトも多いのも事実だ。
今度はスージーOさんの自転車を壊してしまったのだ。。
しかしながら…言い訳になってしまうけど、今回の出来事は不思議な力が働いたように思う。
数日前、路上を終えて移動しようと自転車に跨がり、漕ぎ出した瞬間に後輪が浮くような感覚があって、そのまま自転車ごと倒れてしまったのだ。
ただ倒れただけなのに、自転車の後輪が曲がってしまった。
スポークが曲がるのは考えられるけど、車輪のホイール自体が歪んで曲がってしまったのだ。。
ホイールが曲がるなんて考えられない。
後輪を回すと完全に歪んでいるのがよくわかる。
お世話になってる人に借りてるものを壊してしまうなんて本当にショック…
そして、手間までかけさせてしまって本当に心苦しい。。
「そうそう、今夜ヨージさんがウチに来るって言ってたよ!ニーニー」
「そうなんですか!ヨージさんも久しぶりだなぁ。久しぶりといってもこの前まで一緒に居たんですけどね…!」
「はい、何とか直りましたよ!ニーニー」
「ホントにスミマセン‼︎手間をかけさせてしまって…‼︎」
「そしたら、ヨージさん来るまで路上行こうか!ニーニー」
トラステヴェレへ行って、今日もレストランを回った。
家に戻り、作業しているとヨージさんがやってきた。
「皆さん、お久しぶりです!調子はどうですか??」キュッキュッ
「悪くないですよ、ボチボチです。ニーニー」
「ココも久しぶりだなー!」キュッ
「そういえば、前に住んでいたんですよね?」
「そうそう、ナポリに行く前にここに住んでいたんだよ。この家の住み心地はどう?何か問題があった?」キュッ
顔を見合わせるKさんとスージーOさんと俺。
みんな、言いたいコトは大体決まっている。
俺が火蓋を切った。
「そうですね、来て2日目にシャッターが壊れました。」
「えぇ??それはオーナーに言って直してもらった方がいいよ!」キュッ
「あ、そっちはもう直してもらいました!」
「そうなんだ!そっちはって事は、まだ何かあるの?」キュッ
「ん〜…隣の部屋のアレシオが毎日、音楽ガンガンかけて、うるさいんです。それにキッチンを使った後、食器は洗わずシンクに溜めて、使ったフライパンや鍋はそのまま放置して、テーブルの上も汚しっぱなし、食べかけの物をおきっぱなしするからカビが生えたりして、とにかく大変なんです。ミーシャも呆れてますよ。」
「え〜そうなんだ、それは本人に言った方がいいよ。お互いのためにも、何も言わないのはよくない。」キュッ
「そうですねぇ。。次タイミングがあったら行ってみますよ。」
「そういうのは早めに言った方がいいからね。お、スージーOさんの料理はやっぱ美味そうだなー!」キュッ
「出来ましたから、食べてください。」シャリーン
いつもながら、スージーOさんの作る料理は美味しい。
食の趣味が合うので、食事が楽しみで仕方ない…!
久々のスージーOさんの料理にヨージさんの箸も止まらない!
お腹も満たされた所で、少し飲みながらナポリ以降の近況を話したりした。
話題はレストランバスキングの話題へ。
「ヨージさんもレストランでやるって言ってましたよね??ニーニー」
「うん、レストランでもやるけど、呼ばれて行く事しかないんですよね。」キュッ
「そうなんですか…!ガンガンやってたのかと思いましたよ。」
「そうだねー、レストランも前に働いてた所くらいなんだよね。俺はどっちかと言えば、交差点かな。」キュッ
「交差点ですか??信号待ち狙って??」
「そうそう、上手くいけば効率がいいんだよ。」キュッ
「そうなんですか…??大変そうな気がするんですけど。。」
「慣れちゃえば、楽だよ!信号が何秒で変わるか計って、それに合うようにパフォーマンスを合わせればいいんだからね。」キュッ
「そうなんですか〜。参考になります!音楽は交差点じゃできないですけどね…!」
そこに同居人のミーシャが帰ってきた。
「ミーシャ!久しぶり、元気??」キュッ
「ハハ、ヨージ久しブリ!元気ヨ!」
そこから、会話が盛り上がってたが、イタリア語だったので、内容は分からなかった。
ヨージさんが戻ってきて、俺たちに質問した。
「ミーシャとは、どうですか??」キュッ
「問題無いよ。ニーニー」
「最初は全然話さなかったけど、最近は僕らが帰ってきた後にミーシャが帰ってきて、そのままキッチンで話をしたりするコトも良くありますからね。」
「そっかそっか、ミーシャが1番の問題がミーシャだと思ってたからさ…!」キュッ
「そうなんですか??全然、問題ないですよね??」
「全然ないわよね。むしろ最近仲良くなってきたしね。」シャリーン
「それなら、いいっす。彼女がこの家で1番長いし、彼女パンクみたいな感じだけど、内面はナイーブなんですよね。」キュッ
「そうですね、酔った時はかなり酷いけど、普段はシャイだし、結構ナイーブな感じなんですよね。」
「そうね、酔ってる時はちょっとアレだけど、アレシオよりは全然いいわよね。」シャリーン
「そうですか、アレシオってのは前に住んでた時はいなかったんで、知らないですけど、ミーシャとうまくいってるならよかったです。今日はどうしようかな…帰るのが、億劫だなぁ。。」キュッ
「俺の部屋にソファがあるんで、そこで良かったら寝てきますか??」
「掛けるものとかある??」キュッ
「う〜ん…俺が使ってる毛布使いますか??俺、寝袋使うんで。良かったら使ってください。」
「え〜どうしようかな。毛布臭くない??」キュッ
「何ですか、臭いって…!」
「やっけんが使ってるからさ〜。」キュッ
「臭くないですよ!」
「ジョーダンだよ!よし、寝かせてもらって明日帰るわ。」キュッ
部屋に移動して、話の続きをした。
まったり話をしていると隣の部屋のドアがバタンッ‼︎と閉じられる音がした。
特に気に留めず、話を続けているとトイレの方向から、こっちに足音が近づいてきて、部屋を乱暴にノックされ、こうドア越しに言われた。
「静かにしろよ。静かにしろ、オーケー?」
その声の主は隣の部屋のアレシオだった。
……………
思わず、顔を見合わせる俺たち。
「俺たちうるさかったですかね??」
「いや、別に騒いだりしてないしねぇ。。」キュッ
「特に大きい音も出してないけど…マリファナ吸って神経質になってるんじゃないの?」シャリーン
一呼吸置いたら、段々腹が立ってきた。
静かにしろよ。…だと…
どの口が言うんだ…
毎朝毎晩、馬鹿みたいにクソデカい音出して、迷惑掛かってるのはこっちだっつーの‼︎
「俺、もうカンベンならないっす…普段、あいつがうるさくて迷惑掛かってるってのに、あんなコト言われたら、堪んないっす…」
「そうよね、自分の事棚に上げてない??」シャリーン
「ちょっと言ってきますよ…」
「やめときなさいって。」シャリーン
「せっかくヨージさんも来て、楽しくやってたのに、水さされて…しかも、寄りによってアイツにあの言葉ですよ。」
「やめときなさいって。お酒入ってる時に言ったら面倒な事になるから。」シャリーン
「ムカッ腹が治まんないっすよ…‼︎でも、確かにそうっすね…今、言ったら酒入ってるってのにつけ込んで色々言われそうだし…何より俺が面倒くさいモードに入りますね…でも、明日の朝起きたら言ってやりますよ!いい加減に…‼︎」
「ふむ…言うなら明日だね。今日はやめた方がいいよ。今日はもう寝とこう!」キュッ
「あ〜ッ‼︎ムカつく‼︎ムカつくけど、仕方ないですね‼︎寝ます‼︎これ飲んで寝ますよ‼︎酒ッ飲まずにはいられないッ‼︎」
ウィスキーを寝酒代わりにロックグラスに波々注ぎ、ストレートで一気に煽った。
この時は、まだ明日嵐がやってきて、波乱を巻き起こすなど予想だにしていなかった。
To Be Continued →
Day177 ナポリからの嵐〜台風の目は何も知らない〜
2013年11月から3万円とギターを持って世界一周の旅へ!!路上演奏とアイデアで稼ぎながらサバイバル!!知識と技術で生きていく!!をモットーに活動中!!
メディア出演や執筆のお仕事はコンタクトからご連絡ください!
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