Day277 さよならの前に…

Day278 2014.8.13 ジュネーブ12日目

ジュネーブ祭りという戦いが終わって、平和な日常がやってきた。

旅というのは大概非日常なんだけど、それが日常になっているというのは不思議なものだ。

部屋の窓を開けていると涼しいを通り越して、少し肌寒いくらいだ。

２週間前まで30℃を越える所に居たのに少し移動しただけで、こんなにも空気が変わってしまうというのは面白い。

そうそう、どんな所に住んでいるのかってのを知りたいっていう人が居たので、今住んでいるジュネーブのお部屋をチラリとご紹介しましょう。

こんな感じ。

これで家賃が２週間で240フラン(約25,000円)。

狭いけど、物価の高いスイスではお値打ちな方ではないかな？？

結構キレイだったし。

いつもいつも、こういったキレイな所で寝泊まり出来ればイイんだけどな〜。。

現実はそうもいかず、厳しいのです。。

駅やバスターミナルのベンチで寝てたコトを思い出せば、楽園以外の何物でもないよ。。

そんなコトを思い出して、切なくなってたらナリコさんから連絡が来た。

『タイ人のケンから連絡来たでー！ケンの所行こかー！セントラルのバスターミナル集合な！』

『了解っす！』

仕度をして、セントラルへ向かった。

余談、この写真iPhoneで撮ったんだけど、結構性能高いんだね〜。。

ナリコさんと合流してケンがマネージャーを務めているタイレストランへ向かった。

「おぉ〜ヤッケン！元気ですか？？」

そこには以前のワイルドなケンではなく、パリッとしたシャツとジャケットを身に纏ったビジネスマンが居た。

「この前会った時と全然印象が違くてビックリしたよ！」

「ハハハ、これが仕事モードですよ。この前はオフでしたからね。もう少し仕事が残っているので、お茶でも飲みますか？？」

「じゃあ、お言葉に甘えて…」

お茶を飲みながら、ケンの仕事が片付くのを待った。

「いや〜スミマセン。お待たせしました。もうジュネーブから離れてしまうんだよね？？」

「そうなんだよね、その前にまた会えればなと思って。」

「それは嬉しいですね。そうだ、実は忙しかったからまだ弦を買いに行けてなくて。。今からバイク飛ばして買って来るから少し待っててもらってイイかな？？」

「いやいや、わざわざそこまでいてくれなくてイイですよ…！」

「いやいや、約束ですから！そうだ、お弁当作ったから買いに行く間、公園でランチでもしててよ！」

「おぉ…色々スミマセン。。」

「じゃあ、駅前で待ち合せで！」

「やっけんは、ほんまラッキーやな。」

「そうですね…色んな人に助けてもらいまくりで、甘えまくりで…何だか申し訳ないっす。。」

「でもな、こうやって何かしてあげたいって思わせるってコトは、やっけんが何かを与えてるからやと思うで。」

「そうなんですかね…ボクに出来るコトなんてホントに少ないですけど。。」

「今は少ないかも知らんけど、それでもええんやと思う。だから、頑張って続けなよ！」

「頑張ります！」

「そしたら、私は行くから。またジュネーブ来る時は連絡してな！」

「わかりました！また連絡しますね！色々とありがとうございました!!」

そうだよな…人に何かを…エネルギーだったり、見てくれる人に元気をあげられるようにもっともっと頑張らなきゃな…

駅前に行くとケンが待っていた。

「コレで良いかな？？」

Martinの弦のセットを買ってきてくれた。

「パーフェクト！バッチシだよ！本当にありがとう！」

「良いさ！それでまた良い音楽を聞かせてくれよ！」

「もちろん！またジュネーブに遊びに来るし、ケンもビリヤードでヨーロッパの大会回ってるなら別の街でも！」

「OK,グッドラック！良い旅を！」

そう言い残してケンは大型のバイクにまたがって去っていった。

家に帰るとKさんがジョンと電話をしていた。

明朝ジュネーブを離れる前に会おうというコトになり、今夜会うコトになったそうなので、俺も一緒に付いていくコトにした。

ジョンはKさんが４年前にココ、ジュネーブにやってきた時に出会ったそうで、前回会った時もジュネーブ祭りだったそう。

その時、ジョンはまだ手品を始めたばっかりの駆け出しだったのだが、今ではなんとプロのマジシャンとして活躍しているそう。

先日もスイスのテレビに出演したと言ってyoutubeで番組を見せてくれた。

ジョンとKさんと駅近くのバーに入った。

今後の展望ややりたいと思ってるコトなど話してくれた。

それにしてもジョンはとっても落ち着いてて、年上くらいと思ってたのにまさかの年下だった。。

俺にはこんな落ち着きは一緒得られないんじゃないかってくらい。。

彼も人を楽しませるのが好きで、バーの店員さんにもネタを見せてあげていた。

ジョンも俺もKさんも人にエネルギーや笑顔を与えるコトで生きている。

自分がやってるコトは…って過小評価しちゃう所があるけど、自信を持って演じたり表現したりしないとな。。

そして、もっともっと大きなエネルギーと笑顔を作れるようにしよう。

ジョンの車で家まで送ってもらった。

写真撮ったと思ったんだけど、無かったから前回載せたヤツで…

今夜でジュネーブともお別れか…

というか、ジュネーブよりも大きな別れが待ってるのか…

これまで一緒に旅をしていた…というか一方的にお世話になりまくってたKさんとスージーOさんは明朝4:00に出発してしまう。

２人はイタリアのナポリに向かうそう。

まさかこんなに長く一緒に居るとは思わなかったし、家族以外の人とこんなに一緒に過ごすなんて考えられなかったな。

それだけ居心地が良かったし、甘えまくってしまった。

気付けば３〜４ヶ月は一緒に居たんじゃないかな？？

Kさんの手品もスージーOさんの料理ともお別れかぁ…

そんな２人とお別れするなんて、寂しいな…

それと同時にやって来る不安。。

ちゃんと独り旅に戻れるかな…

生きていけるかな…

あぁ、明日になるのが怖いよ。。

でも、会いたいという気持ちがあれば、いつでもドコでも会えるんだよな。

もう二度と会えないってワケじゃない。

俺たちの旅は、まだこれからも続くんだから。

To Be Continued →