Day1713 2018.7.18 ハルツーム7日目〜ガラパト
0:00過ぎに宿を出発。
今夜こそ、スーダンから脱出してやる。
もういい加減にスーダンから出たい。
これ以上の足止めは本当に時間とお金の無駄だ。
人々の適当加減にもうんざりだし、そもそもこの街に居ても楽しいコトがない。
早く次の国へ行きたいぞ…
長距離バスの発着場、ミナベリバスターミナルまで走っている乗り合いバンが出ている場所を宿のスタッフに教えてもらい、荷物を担いで向かい始めた。
ようやく出発だ。
もうココには戻って来たくないぞ。
ガラガラと荷物を転がし、タローくんと脱出計画について話しながら向かった。
乗り合いバンの溜まり場に着くと、そこにバンは1台も止まっていなかった。
さて、どうしたもんか…
タクシーは交渉しても100ポンド(約300円)が80ポンド(約240円)までしか下がらない。
こりゃ困ったなぁ…と悩んでいると1台の車が車線を逆走してコチラに向かってきた。
そこそこのスピードでコチラに向かってくる車。
このまま轢かれるんじゃないかってハンドルを切ってUターン。
そして、コチラに近付いてきた。
「どこに行くんだ??」
「ミナベリのバスターミナルまで行こうと思ってるんですけど。」
「乗ってけ!大丈夫、変なことはしないから!」
まさかの神ヒッチハイク成功…!!
本当にただの良い人で、ミナベリバスターミナルまで送ってもらってしまった。
「アディスアベバ行きのバスに乗るなら23:00〜3:00くらいにココのオフィスに来い」と言われた場所にやって来た。
まだ時間は1:00にもなってないし、神ヒッチのおかげで余裕を持って着けた。
オフィスにもまだ人は来てないみたい。
スタッフが来るまで、しばらく待つか。
今回のスーダン脱出計画は、こんな感じ。
次の目的地メケレまでの直通のバスは無いみたいなので、1回首都のアディスアベバまで出てしまって、そこからメケレ行きのバスに乗り換えるという作戦。
他にも国境のメテマという町まで行って、乗り換えて、ウェルディア経由のメケレ、もしくはメテマからアクスム経由の北ルートなど。
今回は1番負担の少なさそうなアディスアベバ経由で。
時間を見ると、もう2:00。
そろそろ誰か来てもイイ頃だと思うんだけど…
心配になってくるなぁ。。
少しターミナルの方まで見に行ってみるか。
柵の向こうにターミナルがあるんだけど、グルッと回らないと入れないようになっていた。
建物を出て進むんだけど、道が暗すぎて派手に転んでしまった。
幸い大きな怪我は無かったけど、擦り傷と首に衝撃が。。
イヤになっちゃうねぇ。。
ちょうどターミナルの入口の前に何人か立っている人が居たのでアディスアベバ行きのバスについて聞いてみた。
「アディスアベバ行きのバスって何時に来ます??」
「アディスアベバ??ちょっと待ってろ、聞いてやる。」
そう言って、どこかに電話をかけてくれた。
「今日は無いぞ!!」
「え…」
「アディスアベバ行きは週に2便だけだ。今日は無い!!よし、任せろ。メテマ行きのバスに乗せてやる。来い!!」
衝撃の事実発覚。。
アディスアベバ行きのバス無し。。
毎日出てるみたいなコト、この前言ってたのに!!
とりあえず、友達に伝えてくると言って、先ほどの建物へ。
ベンチで寝ていたタローくんを起こし、悲しい事実を伝える。
「まじっすか。。」
「どうする。。」
「このまま、また足止めはツラいっすね。」
「そうだね。少しでも先に進みたいね。メテマまで行こうか。」
この数日、足止めばっか食らって、2人とも少しでも先に進みたいという気持ちになっていた。
このままスーダンに居るよりもエチオピアに入ってしまいたい。
そうと決まったら、先ほどのおじさんの所へ行くか。
荷物を持ってターミナルの入口に行くと、おじさんが待っていた。
「じゃあ、中に入るから1人10ポンド(約30円)出せ。」
どうやらバスターミナル使用料がかかるらしい。
10ポンドを渡して中に入った。
ゲートを通る時に荷物をX線の機械に通したんだけど、勝手に荷物が運ばれた。
囚人服のような見た目の服を着たおじさんが荷物を持ち、離さない。
きっと、コレは荷物運び代を請求されるヤツだな。
案の定、予感は的中して15ポンド(約45円)取られた。
はぁ…金額じゃ無いんだよな。。
自分で運べるのに。。
そうこうしてると客引きが群がってきて、大声で色々と言ってくる。
同じメテマに行くらしいんだけど、もう何を言ってるか分からないし、荷物は勝手に奪い合うし、オレの腕を掴んで引っ張りあって、最終的に客引き同士でケンカ。
まじでやめてくれ。
本当にウザい。
そう、ココはまだスーダンだけど、次に行くエチオピアは世界三大ウザい国を上回る世界一ウザい国と言われているのだ。
ビザの件も含めて考えると、既にウザい。
この先、不安しか無い。。
目の前で繰り広げられるケンカがあまりにもヒドいので、オレもブチ切れ。
「テメェら、静かにしやがれ!!大声出して、人の腕引っ張って、ケンカしやがってうるせぇんだよ!!イイ加減にしろ!!」
「オーケー、オーケー、ソーリー。。」
そんな言葉は一瞬の建前。
2秒後にはケンカ再勃発。
もう好きにしてくれ。
ベンチに座って収まるのを待った。
ケンカはすぐには収まらず、もう勝手にしてくれ状態。
結局、最初に話をしたおじさんの所でチケットを買うコトにした。
はぁ…疲れる。。
本当に疲れる。。
まだ出発前なんだけどなぁ。。
バスは5:00に出ると言っていたけど、気付けば6:00。
やるコトも無いし、何だかイヤ〜な予感が再び。
「タローくん、本当にアディスアベバ行きのバスって無いのかな??」
「え、どういうコトですか??」
「あいつら、さっきケンカしてたじゃん??でも、今さっきスッゲー仲良さそうに握手して喋ってたのよね。」
「はぁ…」
「しかも、オレらの後に連れてきた客の前でもケンカして、その後めっちゃ仲良さそうにしてたワケよ。」
「演技…ってコトですか??」
「そういうコト。もう1コ建物あるから、ちょっと聞き行ってくるわ。」
今居る建物とは別に建物があり、そこにもバス会社があるので何軒か聞いてみた。
すると…
「アディスアベバ行きなら5分前に出たわよ。今日はもう無しね。日付変わって明日の3:00ならあるわ。」
う そ だ ろ …
しかも、聞けば聞くほど悔しい話が出てきた。
「タローくん…悲しいお知らせが再びあります。」
「何すか??」
「実はアディスアベバ行き5分前に出ました。」
「まじっすか。。」
「しかも、衝撃の事実もあります。」
「イヤな予感しかしないっす。」
「え〜アディスアベバ行きのバスですが、毎日どこかしらの会社で3:00に出発しています。」
「え…というコトは…」
「はい、数時間前の3:00にもバスはアディスアベバに向けてココから出発しました。」
「え〜まじっすか??俺たち居ましたよね…」
「はい、しっかり居ました。」
「まじか…やられた。。」
「はい、完全にやられました。」
2人で深く肩を落とした。
色んなコトが重なった。。
誰かを責めるべきか…??
もし、そうだとしたら数日前にバスターミナルに情報を聞きに来た時に教えてくれたおじさんか、それともさっきのおじさんか…
2人ともだねェェェェェェェェェェェ!!!!!!!!!!
結局、2人とも嘘つきじゃねえか、コノヤロウ!!!!!
アディスアベバ行きのバスはあったし、場所違ってるし!!
キィィィィィィィィ!!!!!!
5:00に出発するって言ったバスは6:00を過ぎ、7:00になっても出発しねぇぇぇぇぇぇ!!!!!
聞く度に「1時間後、1時間後!!」って、24回聞いたら1日経ってるじゃねぇかァァァァァァァ!!!!!!
ふぅ…ふぅ…
出発する前から、もうイヤだ。。
2人とも無言で待ち続け、ようやく本当にバスの出発の時間になった。
待っていたのはオンボロのバス。
荷物を預けようとするとスタッフがマジックで直接カバンに番号を書こうとしている。
「ちょ!!バカか!?バカか、お前は!?」
タローくんと2人で結構な勢いで焦った。
どっかの国では荷物にマジックで直接書かれるとこあるよ〜とは聞いていたけど、ココか!!
ここだったか、スーダン!!
めっちゃ油断してたわ!!
オレは慌てて持っていたビニール袋をカバンにくくりつけて、そこに書かせた。
タローくんはティッシュに。笑
オンボロのバスに乗り込むとお世辞にも普通とは言い難かった。
まぁ、これが旅の1つの要素ってヤツですかね。
ようやく出発だ。。
まだこれからなのに疲れた。。
出発したコトに安心して、すぐに眠りに落ちた。
4時間ほど走った所で休憩に入った。
バスを降りて、モスクのトイレで用を足した。
ちょうどお昼時というコトもあって、バスの乗客はお昼ゴハンを食べているようだった。
オレたちも何か食べようと適当にお店に入った。
店頭でチキンカツを売っているのを見て入ったんだけど、このチキンカツが日本のに似ていて美味かった。
やっぱりスーダンはゴハンが美味しいのかもしれないな。
食事を終えて、外に出るもバスが出発する様子は無い。
どうやら、安定のエンジントラブルらしい。。
まだまだ先は長いのに不安しか無いな。。
ドコかから部品を持ってきたらしく、1時間半後に出発した。
しかし、調子がイイのも束の間。
またすぐに止まってしまった。
ちょうど別の休憩所の近くだったらしく、休憩所に停車。
砂漠のド真ん中じゃなくて、まだ良かった。。
他のバスが羨ましく見えるぜ。。
しばらく眺めて待ったけれど、エンジンの調子が良くないみたい。
もうこのままじゃラチがあかないんじゃないかと思い、他のバスに乗れないか聞いて回るも、結局ダメ。
オレたちを運んでくれるのは、あのオンボロしか無いらしい。。
ようやく再出発するバスに乗り込むも、出発したバスはトロトロとのんびり走る。
その脇をビュンビュンとすり抜けていく他の車。
あぁ、アフリカにやって来たんだなぁ。。
とにかく耐えるしかないか。。
気付けば、すっかり暗くなり、本日の目的地である国境沿いの街メテマに到着。
時間は日付を越えて0:00を過ぎていた。
出発から17時間。
このまま国境を越えてしまいたいと思ったけれど、もう国境は閉まっていて、明日の朝まで待たないといけないらしい。
辺りは真っ暗で、宿泊所らしいものも見当たらない。
このままバスの中で朝を迎えるのかと思ったら、バスから降ろされてしまった。
バスのスタッフが「とにかく付いてこい」と言うので付いていってみると、真っ暗な道を進んだ先に民家が集まるような場所があり、その内の1つの門を叩いた。
中から出てきたおじさんが案内をして中に引き入れた。
どうやら、ココは宿らしい。
しかし、中に入って驚いた。
今までに無い以上に簡素。
コレが宿…なの??と疑ってしまうほど。
部屋の中には簡素なベッドが押し込められていた。
しかも、よく見るとシーツに所々変なシミが出来ている。
頭に南京虫のワードが横切った。
そう、エチオピアは南京虫大国なのだ。
旅人が最も嫌がる虫、南京虫。
1度噛まれるとその痒みは1ヶ月は続き、しばらく痕が残ってしまう。
念入りにベッドを調べた。
調べた限り南京虫は居ないらしい。
だけど、それでもこのベッドで寝るのは抵抗があるなぁ。。
ちなみに宿代は40ポンド(約120円)。
半ば強制的にこの宿を利用するコトになったんだけど、バスの中で寝かせてくれればイイのになぁ。。
「メシは食うか??」と言われてタダかな〜と思ったけど、世の中そんなに上手く出来てないらしい。
何が食べれるのかなと気になって簡素なキッチンを見に行くと、まさかの…
雑巾にうんこが乗っていた。
いや、コレはそうウワサのインジェラ。
これこそ、本物のインジェラ。
雑巾でも無いし、上に乗っているのはソースだ。
ゴクリ…
美味しそうでノドが鳴ったワケでは無い。
見た目は雑巾、味はゲロとウワサされるインジェラを食べるべきかどうか考えたのだ。
「タローくん…イッてみるか??」
「イッちゃいますか…??」
新しいものを見ると好奇心が芽生えてしまう性格。
悩みはしたが、食べてみるコトに。
人生、初インジェラ。
味の方は…
酸っぱい!!
確かに言われてみればゲロかも…
てか、誰かがゲロって言わなきゃ食えたものを…
そう言っちゃうからゲロにしか考えられん…!!
ソースの方はまぁまぁ。
少し辛味の効いたミートソースみたいな感じ。
肉は入ってないみたいだけど。
初のインジェラに衝撃を受けて、半分近く残してしまった。
もう今日はやるコトも無いから、さっさと寝るか。。
ベッドに戻って、横になるとスタッフの人が「お前らはこっちに来い」と言うので付いていくと個室に案内された。
個室と言ってもベッド3つを無理やり押し込んだ狭い汚い部屋。
どうやら、荷物を盗まれないか心配してくれたようで、好意で個室に移してくれたみたいだ。
「中からしっかりカギをしろよ」と何度も念を押してくる。
そんなに言われると逆に怖くなってきちゃうな。。
カギというかつっかえ棒を渡された。
荷物を移動してベッドへ。
アリがたくさん歩いているベッド。
蛾も飛んでいる。
あぁ、アフリカに来たんだな。。
きっと、この先もこういったものがたくさん待ち受けているんだろうなぁ。。
To Be Continued →
こんなボロ宿見たコトある!?ぜひ動画で見て欲しい!!
おぉぅ…って思ったら、チャンネル登録・高評価よろしくお願いします!!
バスターミナル入場料…10ポンド
荷物運び…15ポンド
バス(ハルツーム〜メテマ)…250ポンド
ジュース…8ポンド
昼ゴハン…50ポンド
宿代…40ポンド
晩ゴハン…25ポンド
ジュース…12ポンド
合計…410ポンド(約1,230円)
長距離バスターミナル: Khartoum Land Terminal
住所: スーダン ハルツーム
電話: +249 91 286 4292
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