Day147 2014.4.4 ローマ9日目
「Are you Japanese?」
宿のロビーで作業をしていると声を掛けられた。
「Yes, I am!!」
「おぉ、1人で旅してるんですか??」
「そうですよ〜。」
「宿のwi-fi調子悪いし、良かったらそこのカフェでお茶しに行きませんか??」
「イイですよ〜。」
場所をカフェに移して、自己紹介、これまでの旅の話なんかをした。
彼の名前はヒデ。
この旅では珍しい同い年。
憎いくらい好青年といった印象だ。
何よりも腰が低過ぎる!
彼もまた人が持ってないような経歴を持っていた。
「資金はどれくらい持ってきたの??」
「俺は3万円だよ。シベリア鉄道乗った時点でパソコンの充電器壊れたり、色々あってほとんど飛んじゃったけどね〜。」
「え、そんなんで旅出来るの??」
「うん、何とか路上とネットで日銭稼いで5ヶ月近くは生きてこれたよ!」
「え、何それ??路上でやってるの??」
「うん、ギター弾いて唄ってるよ。」
「今日もやるの??」
「やるよ〜。Kさんっていうマジシャンも来るよ〜。」
「付いてってもイイ??ジャマじゃない??」
「全然イイよ〜。ただ、マイペースにやるから飽きちゃうかもよ。」
「え〜ありがとう!全然、気にしないで!」
ヒデも色々と悩みながら旅に出て見聞を広げに来たといった感じみたい。
悩みというのは続くもので、ちょうど2日前に10年付き合っている彼女と別れてしまったらしい。
そんな所に俺みたいなヘンテコ人間と出会ってしまって興味を持ってしまったらしい…
何だかプレッシャーだなぁ…!!
仕度を済ませ、ヒデと一緒にトラステヴェレに向かった。
「さ〜て、この辺でやるか。ホント適当に見といてよ!」
「ははは、分かったよ。ボクのコトは気にしないでイイから、いつも通りやって!」
最初から見られてると緊張するなぁ。
ギターを構えて、空気を吸い込み、声を出す。
俺の声がヘビのように這う夜のトラステヴェレを駆け巡っていく。
「ヤス、スゴいよ!こんなコト、ずっとやってるの??」
「うん、これで何とかね。日銭くらいしか稼げないけど…!」
「自分の見たコトない世界だよ!」
「まぁ、こういう生き方もあるってコトかな…??」
そこにKさんがやって来てくれた。
「さて、今夜もやりますか!」
「はい、かましていきましょう!」
歌とマジックの異色(?)のタッグで開始。
やっぱりKさんのマジックは人の目と足を止める。
多くの人が立ち止まって、楽しんでいっている。
ジャンルは違うけど、俺もこうやって多くの人を楽しませるコトが出来るようになればイイな。
「お〜日本人でこんな所にいるなんて珍しいですね!」
「そちらこそ!」
「こっちは留学ですか??」
「そうですよ〜!」
リユちゃんというローマに留学している女のコがやってきて話してくれた。
「ヤス、何か…何て言ったら良いか分かんないけど、スゴいよ!こうやって、出会いもあるなんて、羨ましいよ!」
「いやいや、誰でも出来るコトだよ。やる気と少しの勇気があれば。」
「その勇気が大事だよ!誰にでも簡単に出来るコトじゃないよ!」
「う〜ん、そう言われるとそうなのかもね。。ただ、”やる”か”やらないか”、その二択だけだよ。」
「ホント、今このタイミングでヤスと出会えてホントに良かったよ。何だか道が開けたような気がする。冗談じゃなくて!」
「いやいや、俺なんてホントに自分の好きなコトやってるだけだよ。」
「それをやってのけるって人はそうそう居ないよ。」
「うん、実際キツいコトも多いしね。。」
「例えば??」
「1番はやっぱお金かな。こうやって、毎日日銭稼がないと寝る所も無いし、食べるコトも出来ないからさ。」
「そっか…俺はこれまで楽して稼ぐコトしかしてこなかったから。そうやって地道に努力して頑張ってるコトがスゴいと思うよ。」
「そうだねェ…でも俺、努力・忍耐・根性って言葉が大嫌いだからさ。。」
「いやいや、十分努力して耐えてるんじゃない??」
「う〜ん、俺自身はそう思わないんだけどさ。人って好きなコトだったら頑張れると思うんだ。というか、苦だと思わない。だから今も努力とかしてる気がしないんだよね。俺も前までは、いかに楽して稼ぐかしか考えてこなかったけど、今は遠回りが1番の近道だと思ってるから、苦しいと思わないんだよね。」
「そうなんだ。きっと自分の道が見えてるんだね。」
「いやいや、暗中模索。手探りだよ。そうだ、ある人がこう言ったんだ。”若者は焦る生き物だ。”って。だから、俺はあえて、ゆっくり進んでやろうと思うんだ。俺だけの道をね。」
そんな青臭い話を旅の大先輩は、にこやかに聞いてくれていた。
To Be Continued →
Day147 努力・忍耐・根性なんて糞食らえ…!!
2013年11月から3万円とギターを持って世界一周の旅へ!!路上演奏とアイデアで稼ぎながらサバイバル!!知識と技術で生きていく!!をモットーに活動中!!
メディア出演や執筆のお仕事はコンタクトからご連絡ください!
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