Day99 2014.2.15 ロンドン13日目
まじでうるせぇ……ッ!!
昨晩、騒いでいたアルゼンチン人の片割れが、もの凄いイビキを耳元で奏でてくれる。
耳栓も役に立たない。
朝食を摂りに1階のバーへ行き、そのまま作業をするが、10:00には閉め出されてしまい、部屋に戻って作業をするコトになった。
相変わらず、イビキがうるさい。
12:00までガマンしたが、そろそろダメだ…
このままガマンするか……??
いいや!“限界”だッ!押すねッ!今だッ!
iTunesの再生ボタンを押した。
音楽をかけて、ごまかすしかない。
何か言われても魔法の言葉を使えば良い。
「ココはホステルだぜ★」
昨晩のあのコの敵討ちってワケじゃあないが、正論だろう。
心の中でもう一度、練習しておこう。
「ココはホステルだぜ★」
よし、カンペキだ。
幸い、魔法の言葉を使うコトなく、作業を終えて、土曜の路上へ行く。
いつもの場所へ行くと1人のパフォーマーがいた。
「何でココにいるんだい??調子はどうだい??」
「いや〜アンプから音が出なくてね。」
「ほうほう…それは残念だね…もし、ダメだったらココでやってもいいかい??頼むから音よ、出るな。」
「そうだね。ダメだったら行くよ。」
「どんな音楽をやってるんだい??」
「タンゴだよ。日本でも人気なんだろ??」
「たぶん…そうだね、好きな人は多いよ。」
「う〜ん、ダメだね。今日はもう行くよ。」
「よし!いつも通り出来るぞ!!そうかい、残念だったね。ありがとう!」
ラッキーなコトに場所を譲ってくれた。
しかし、セッティングを終えて始めようとすると、たまに現れる田嶋陽子風のオバさんがやってきて、すぐ真横で中国語で喚き始めた。
マジでカンベンしてくれよ。
消える気配が無いので、構わず唄うが、昨日よりノドが悪化していて声が出ない…
そうこうしていると今度は顔見知りのパフォーマーが近くでアンプを使って始める。
まじかよ…
もうカンベンしてくれよ…
指を差して喚くババア…
アンプから出る大音量…
ノドがやられて声が出ない……
「うるせぇんだよ!!お前ら!!!!俺に唄わせろ……ッッ!!!!」
覇王色の覇気がチャイナタウンを包み込んだ。
時が止まる。
通行人も立ち止まり、こちらを見る。
そして、時は動き出し…なぜか、コインが入ってくる。
その勢いで何事も無かったかのように、笑顔で演奏。
1曲終えると日本×イギリスのハーフの男性が話しかけてきた。
「彼女は何を怒ってるのかな??国旗で怒ってるぽいね。」
「みたいですね。でも、気にしません。ココにいるほとんどの中国人の人たちは優しから。国境で隔てられるような考えに固執するような人たちには、興味が無いですし。」
個人×個人で話が出来ないような人には興味がない。
国家や宗教、大きな枠組みや組織を盲信して、それに囚われて目の前の小さな個人を見れない人というのは可哀想だ。
「そうか、大変だけど頑張ってな。」
通りには、いつもの5倍くらいの人がいる。
特に今日は多いらしい。
21:00にノドが限界を迎えて、これ以上は唄えないと判断して、悔しいが撤収。
土曜の夜にあがりは8ポンド。
ここまで少ないと自分が評価されなくて必要とされていない人間じゃないかと不安になる。
部屋に戻ると昨日、寝るのをジャマされていた女のコがいた。
「昨日は大変だったね。何も言えなくてゴメン。」
「気にしないで、私はクロエ。フランスのカーンから来たの。学校を卒業するから、ロンドンで仕事を探そうと思って…」
この日は誰もジャマするコト無く、2人で遅くまで話した。
To be continued→
Day99 俺に唄わせろ……ッッ!!!!
2013年11月から3万円とギターを持って世界一周の旅へ!!路上演奏とアイデアで稼ぎながらサバイバル!!知識と技術で生きていく!!をモットーに活動中!!
メディア出演や執筆のお仕事はコンタクトからご連絡ください!
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