Day402 天国から地獄〜地獄篇〜刑務所の宣告

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Day402 2014.12.15 ミュンヘン7日目



アヤリちゃんの部屋を後にし、自分のホステルへと向かった。


アヤリちゃんのホテルと自分の泊まってるホステルは目と鼻の先。


カワイコちゃんと色々話して飲んで、上機嫌♪


唄って、可愛いコとお酒飲んで、何て幸せな生活なんだ〜♪





駅前の大通りから裏路地に入ろうとした瞬間、身体が何か重いモノにぶつかった…



と思った瞬間に視界にはビルの上層部と空が飛び込んで来た。



ドジャァァァン!!



痛……



身体を起き上げると、目の前には白いタクシーがハザードを焚きながら止まっていた。



痛ァ……



どうやら、裏路地から出て来たタクシーにぶつかったらしい。



慌てて飛び出してきたタクシードライバー。



そして、その一言目にオレは驚いた。



「俺の車にキズが付いたろ!」



????????????????



何を言ってるんだ、この男は…



ヒザと手の平にジワジワと痛みが広がってくる。



「何やってんだ!タクシーにキズが付いたじゃないか!」



タクシードライバーは、捲し立てるようにコチラに向かって怒号を飛ばしてくる…



ブチッと何かがオレの中で弾けた。



「は??人に当たっといて何言ってるの??事故だぞ、事故。てか、キズって何だよ。」

「ココにホラ!」

「キズでも何でも無いじゃないか!ただの汚れじゃないか!指で落ちるだろ!こっちは倒れて手切ったし…」


待て待て待て待て…三脚ぶっ壊れてるじゃあないか…!!


「オイ、三脚が壊れてるじゃねぇか!ふざけんなよ!」

「てめぇこそ、ふざけんじゃねぇよ!!警察呼ぶぞ!!」

「呼べや!!てめぇ、人轢いといて、その態度は何なんだよ!」



理不尽なタクシードライバーの反応についついカッとなって応戦してしまった。



口論は白熱し、周りには何人もの野次馬が…


周りに居た人の中で警察に電話をしているような人が居て、間もなくして警察登場。



やって来た警察に促されて、パトカーに乗せられて警察署へ。



留置所脇のスペースに通され、そこで荷物検査。


「持っているもの全部出して。あと服もね。」


めんどくさ…


「あぁ、それはいいから!」


パンツも脱ごうとすると止められた。


「じゃあ、次は呼気中のアルコールチェックね。」


ドコもやるコトは変わらんな。


あぁ、めんどくさ…


「で、何があったんだい??」


これまでの経緯を話す。


「じゃあ、そこで待ってて。」



時間は2時間を過ぎ、3時間を過ぎ…さすがに眠くなってきた。



もう4:00だもんな。。



時計の針が5:00に差し掛かろうとした時にようやく警官が戻って来た。



「キミには2つの選択肢がある。400ユーロ支払うか刑務所に行くかのどっちかだ。」


耳を疑った。

いきなり刑務所ってコトは無いだろうから留置所??

何言ってんだ??

「え??何でコチラがお金を支払うかジェイルに行く必要あるんですか??」

「残念ながらキミの選択肢はその2つの内のどちらかだ。」

「そんなコト言われてもお金無いですよ。」

「ATMに行くだけじゃないか。」

「そのATMにもお金が無いんですよ。」

「そうか…じゃあジェイルだな。」



オイオイオイオイ…どういうコトだよ…400ユーロ??

ジェイル、刑務所なんか行きたくねぇよ。

400ユーロっていくらだ??60000円くらいか??

それなら何とかなるか…??いやいや、こんなワケの分からんコトに金なんか払いたくねぇよ。。


どうする…ッ!?

って、そもそもオレは何も悪いコトなんかやってないのに、何でこんな選択肢しか無いんだよ。

ふざけてんのか??

「ちなみにジェイルは何日間行くコトになるんですか??」

「さぁな…3日から3ヶ月の間だな。」



3日から3ヶ月だとッ!!



でも、その間食いっ逸れるコトは無いんだよな…


イカンイカン、そんなトコにぶち込まれても良いコトなんかねぇだろ…!

しっかりしろ、オレ!



「分かりました。ジェイルに行きます。」

「オイオイ、ATM行って金下ろしてくるだけだぞ。良いのか??」

「オレの覚悟は決まりました。ジェイルに行きます。ジェイルでもドコでも連れて行ってください。それにオレは何も悪いコトをしていないから問題は無い。それなのにジェイルに連れて行くという方が問題だ。当然、このコトは日本の大使館へも話は行くんでしょう??」

「本当に良いのか??」

「オレの覚悟は決まりましたから。じゃあ、1つだけ話を聞いてください。」

「何だ??」

「オレとあなたの間では、お互い第二言語の英語で交わされている。オレの英語は上手くない。言いたいコトもままならない。あなたも母国語のドイツ語に比べたら、英語の能力は劣るでしょう。タクシードライバーとあなたの間ではドイツ語で会話が交わされてる。当然、向こうの言い分の方が耳に入るでしょう。向こうの話ばかりに耳を傾けているんじゃないですか??あと大使館にも電話させてください。」

「ふむ…ちょっと待ってろ。」


そこから待たされるコト、更に1時間…


先ほどの警官が戻って来た。


「この書類にサインしなさい。今回は行って良し!」


何だよ、それ!!

散々、待たせてワケの分からない金を請求されて、脅されて…

何だか急にむかっ腹が立ってきた。


サイン…??するかボケッ!!


オレの名前を書くコトすら躊躇うわ!!


書いてやるよ!!



“あほか”



どーせ、日本語なんて読めないしな。ささやかな抵抗じゃ!!


「もう飲み過ぎるんじゃないぞ!」


うるせー、余計なお世話だ!!



警察署を後にして、ホステルへ向かった。


チクショウ…何て夜なんだ。。


せっかくの良い1日が台無しだぜ。。


てか、三脚…


じっくり見てみたけど、もう直せそうに無い。。

よく見たらカメラのレンズもやられてる。

ふざけんなよ。。

怒りと悲しみの感情が一辺に襲ってきて、もう元に戻らない三脚を地面に叩き付けた。


粉々に散らばる破片。


砕かれた破片と共にオレの中の感情も細かく砕け、消えて行った。


IMG_3226

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To Be Continued →

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