Day156 ありがとうと言ってはイケナイ!!〜これがナポリタンスタイルだ！〜

Day156 2014.4.13 ナポリ４日目

2:00頃に路上を終えて、ギターを肩降ろすと声を掛けられた。

「良かったよ〜。今日はもうお終いかい？？良かったら、これから１杯飲みに行かないか？？」

「どうします？？」

「ん〜、１杯だけ行こうか。ニーニー」

「よし、僕の馴染みの店に行こう！すぐそこだから！僕の名前はアントニオ、トトって呼んでくれ！」

ハリーポッターのダニエル・ラドクリフに似たアントニオと近くのバールに行った。

「さ、何飲む？？ココは出すから遠慮しないでくれ！ビールでイイかい？？」

「OK！ニーニー」

「あ〜…イェーガーボムがイイなぁ…」

「そんなのでイイのかい？？」

「ちょっと思いの外疲れちゃって、糖分が欲しくて…」

ｼｬﾘーﾝ

「よし、クリスチャン!!ビールとイェーガーボムを持ってきてくれ！」

「あいよ〜。トト、新しい友達かい？？」

「そうさ！」

テーブルに運ばれたドリンクを手に乾杯した。

「新しい出会いに！」

「そういえば、トトは仕事何やってるんだい？？」

「今はシェフ。チョット前まではカメラマンをやってたよ。」

「カメラマンやってたの？？自宅に暗室とか持ってるの？？」

「あぁ、一応ね。今は大した暗室じゃないよ。キッチンと一緒さ。それより、お腹空いてるかい？？」

「ん〜今日まだ夕飯食べてないなぁ。」

「それなら、作ってあげるからウチに来なよ！パスタでイイかい？？」

「え、いいの？？」

「もちろん！」

「嬉しいよ！ありがとう！」

「ありがとうって言うのは無しだ！」

「え、何で？？」

「それがナポリタンスタイルだからさ！」

「お〜、ありがたいね〜！シェフの作るパスタ期待しちゃうね〜！ニーニー」

「ハハハ、簡単なモノでもイイかい？？カルボナーラとか。」

「全然良いよ〜！」

「トト、家におジャマするならさ、ついでにもう１つお願いがあるんだけど…ニー」

「何だい？？」

「シャワー貸してもらえないかい？？ニー」

「何だ、そんなコトか！お易い御用さ！」

「うぉー！ありがとう!!助かったよ！友達の家のシャワーが壊れててさ！」

「ハハハ、ありがとうは無しって約束だろ？？」

おぉぉぉ、これで３日ぶりにシャワー浴びられるぞ！ありがとう、トト!!

１杯でバールを切り上げ、トトの家に向かった。

「ヘーイ、トト元気かい？？」

「あぁ、元気さ！おっちゃんは？？」

「元気だよ！」

売店のおっちゃんとも顔なじみなのか、挨拶をしていく。

トトの家に着き、荷物を降ろしてゆっくりさせてもらった。

「じゃあ、パスタ作るから自由に使ってくれ！ココはキミたちの家だ！」

「ありがとう！ニーニー」

「ありがとうは…」

「あぁ、ゴメンゴメン！」

「それも無しだぜ！」

壁には無数のレコードと写真集が飾ってあった。

フンフンフン♪

「そうだ、好きなレコードがあれば、かけてくれ！」

数あるレコードの中からイーグルスを選んで流した。

「トト、この写真見てイイかい？？」

「その質問は無しだぜ。ココはキミの家だって言ったろ？？何でも自由さ。」

「ハハハ、あり……アリアリアリアリアリーヴェデルチ！」

「何だい、そりゃ？？さよならか？？」

「いや、ありがとうって言いそうになったからさ！」

「ハハハ！」

KさんとスージーOさんと順番にシャワーを浴びて、トトの料理を待つ。

「慣れてくるとパスタってのは茹だったかどうか、音で分かるんだ。」

「へぇ〜そうなんだ。ニーニー」

「よし、完成だ！ボナペティ(召し上がれ)！」

うぉぉぉぉ、とってもクリーミーで美味い!!!!

でも、しょっぱい!!笑

これ、茹でる時に塩入れ過ぎてるよ！

まぁ、しょうがない…トト結構酔っぱらってるもんな！

はは、コレはコレで味があるか！

「トト、美味いよ！」

「それは良かった！そうだ、このカギ持ってけよ。俺はこれから３日間ソレントの親友の家に行くから好きな時にウチに来てシャワーでもキッチンでも自由に使いなよ！」

「えぇ〜それは悪いよ。ニー」

「うん、それはねぇ。」

「なんだい、乗り気じゃないねぇ。残念だよ…いや、やっぱり持ってってくれ。カギは３日後に返してくれればイイさ。何かあれば、隣に両親が住んでるから、尋ねればいい！」

「いやいや…」

「ココはキミたちの家なんだから！」

「じゃあ、預かるだけ預かりましょう。」ｼｬﾘーﾝ

「そうすね、預かるだけ預かっておきましょう。」

「よーし、俺はこれから電車に乗っていくぜ、楽しい時間をありがとう！」

そう言って、部屋の窓からおもむろにゴミ袋をゴミ捨て場に向かって投げた。

「そんなんして、大丈夫なの？？」

「ハハハ、これもナポリタンスタイルさ！」

「俺が埼玉の志木で同じコトしたら、向かいの家の~~ババア~~御婦人に怒鳴られたよ！」

「ハハ、そうなのかい？？それじゃ、日本には住めないなぁ！」

トトと別れ、３人でヨージさんの所へ帰った。

「いや〜何だか不思議な人というか良い人過ぎて逆に不安になっちゃったねー。ニーニー」

「そうっすねぇ。あぁいう一見、普通の人がマフィアだったりするって言いますからねぇ。ほら、パッショーネの紹介にもあったように…」

「変な事件に巻き込まれなきゃ良いけどねぇ…ｼｬﾘーﾝ」

ヨージさんの家のマンションに着く頃にはすっかり4:00を回っていた。

ブーーー!!

うん…不安が的中した。。

ブザーを鳴らしても誰も出ない。

ヨージさんは仕事で遅くなると言っていたから、まだ帰ってきてないのか…

電話しても出ない。

第一関門のエントランスの前でとりあえず、待つコトにした。

すると雨が降ってきた。

「オイオイオイオイ、これで雨ですかァァァ。。」

「ツイてないねぇ…ニー」

「………」ｼｬﾘーﾝ

「何すか、そんな目で見ないで下さいよ。大丈夫っすよ。」

「こんな閉め出しなんか１度も無いわよ。」ｼｬﾘーﾝ

「そうなんすか？？こんなんは日常茶飯事ですよ。」

「ヤッケンのスタンドが発動しましたか。ニー」

「もうー」ｼｬﾘーﾝ

「大丈夫ですって、5:00ちょうどに第一関門は突破しますから。」

「ホントにィィィ？？」ｼｬﾘーﾝ

庇の下に入り、雨を避けてヨージさんの帰りを待った。

時間が経つにつれて、雨は激しさを増していった。

自然と口数も減っていく。

そこに１台の車が止まった。

「ヨージさん…!!じゃない…ッ…ニー」

「いや、これですよ。私の発言を覚えてますか？？」

時計を見ると5:00ジャストッ!!ﾄﾞﾔｧ

「何が言いたいのよ？？」ｼｬﾘーﾝ

ﾄﾞﾔｧ

車から降りてきた夫婦の後に続いて、第一関門のエントランスを通過した。

次の問題は第２関門の玄関を開くコト。

こればかりはヨージさんを待つしかない。。

玄関前の階段に３人でうなだれるようにして、待つコト１時間。

エレベーターのドアが開き、ヨージさんが現れた。

「何やってんすか、こんな所で？？」

「いや〜待ってましたよ。寝ましょう。」

6:00になって、ようやく家の中に入り眠りに就くコトが出来た。

今日も十分な睡眠は取れた。

路上に行くぞ。

今日も最初はVia Romaへ向かい、その後スカッパナポリへ移動した。

その途中、ヨージさんオススメの”ババ”というスイーツを頂いた。

ケーキのスポンジみたいな生地をラム酒に浸したお菓子。

ふむ、見た目と裏腹にサッパリとしていて、美味しい。

石畳の路地裏でギターを取り出し、唄い始めた。通る人が足を止めて聞いてくれる。

ナポリの人はとてもフレンドリーで距離感がとても近い。

みんな声を掛けてくれたり、止まって話しかけてくれるから、やっていて面白い。

たまにフレンドリー過ぎてウザい人もいるけどね…！

今日は日曜日というコトで早めに人が引き上げていったので、俺も早めに切り上げる事にした。

家の玄関を開けるとカレーの匂いが一斉にこちらに向かってきた。

久々のカレー、やっぱ日本の国民食だよな…！

最高でした！

食後はまったりタイム。

ヨージさんは世界のマイナー楽器が好きらしく、色んな楽器を使えるらしい。

同居人のエマも多彩な才能の持ち主らしく、部屋の中にはそれを物語る品がたくさんあった。

話をしながら、いつの間にかセッションが始まり、長い夜を迎えた。

To Be Continued →

ジェズ・ヌオーヴォ教会

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住所:Piazza Gesù Nuovo, Napoli
電話:081 557 8111
備考:この周辺が若者たちが集う場所。ナポリにいる間はココで路上演奏をよくしていた。