Day207 偶然が作った和解〜拳を開いて〜

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Day207 2014.6.3 ザグレブ2日目


ローマを離れてから、2〜3時間睡眠が当たり前になってしまって、せっかく宿を取ったというのに、早く目が覚めてしまった。

夜行バスも安くて便利だけど、何だかんだでパスポートコントロールや途中休憩で起こされるから、寝られないんだよなぁ。。



隣のベッドを見るとキンちゃんの姿が無かった。

リビングに居るのかなぁと思い、リビングに行くも彼女の姿は無かった。


代わりに居たのは、そうあの人。


Mさんだ。


ソフィアでの別れ際、何となく向こうもコチラに対して良い感情を持ってなさそうな雰囲気は感じていたので、恐る恐る声を掛けた。


「あ、おはようございます。まさかここで会うとは思いませんでしたね。」

「ほんまやで、なんでここにいるん??」

「いやーカクカクシカジカでココに泊まることになったんですよ。本当は別のとこに泊まる予定だったんですけど、予約し間違えちゃってミスっちゃったんですよね。」

「ふーん、そうなん。てか、せっかくキンちゃんにおもろい話するわって言ってたのになんで全部話してしまうん??」


口元は笑ってるが、目…目がガチだ…この人……瞳の奥から漆黒の炎が滲み出てる……


「いや、そう言われても知らなかったですからねぇ。」

「男の口が軽いのは最低やで。」

ピクッ…

女の尻が軽いのも最低だろ。ハハハ…」

「ホンマ、一発どついたろと思ってん…!」


ドグシャアッ‼︎


「ブホッ!!痛で〜ッ‼︎まじで痛いヤツじゃないすか!」

「そら、そうやで。それで水に流しといたるわ。でも、絶対ゴメンて言わんで。」

「流してくれるのはありがたいコトですけど、僕もゴメンは言いませんよ。これで、あの日のコトは流しときましょう。」


結構、本気のドツキ…

まじで痛いヤツじゃん……


胸をさすりながら、キッチンに行くとキンちゃんが居た。

「なんだ、ココに居たんですか。」

「なんか、2人で話してるから行ったらジャマかなと思って。」

「いやいや、来てくださいよ。エグいの一発もらっちゃいましたわ。」

「宿どうした??」

「ザグレブ、なかなか好きな感じなんで、もう一泊しようと思います。」

「そっか〜コンちゃんと仲良くやりなよ。」

「僕は大丈夫です。よっぽどのコトじゃないと人のコト恨んだりしませんから。流してくれるって言ったし、3分前は過去ですからね、僕的には。」

「そっか、何かお腹空かない??」

「ペコペコですよ〜。」

「Mちゃんもお腹空いてるみたいだから、散歩がてら行こっか。」



ザグレブの街を歩きながら、レストラン街を目指した。

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「ちょ、あのコめっちゃイケメンやで!」

「ホンマや、Mちゃん好きそう!私はもうちょっと小汚い系がいいな。」


女子が揃うとこんな会話ばっかなんだろうか。。


いつまでも品評会が終わる気配が無いので、観光名所を通る度にカットインして入った。

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「ココがイェラチッチ広場ですよ〜!」

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「ココが聖マルコ教会ですよ〜!」

「よく覚えてるね〜。」

「昨日の夜通ったんで覚えてますよ〜。」

「ウチらだけだったら、いつまでも真っ直ぐ行っちゃうやんな〜。」


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昨日行ったMELI MADOに入り、ビールと料理を頼んだ。

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流したとはいえ、ちょいちょいとソフィアでの話を挟んでくるMさん。


「何であんな怒ってたん??」

「怒ってたワケじゃないんですけど、どうするかハッキリしない感じだったんで、確かにイライラしてましたね。ドイツ人と残るのかストリップ行くのか。両方したいみたいな感じだったじゃないですか。」

「せやな、でもなあのドイツ人1人で放っとかれへんやってん。イケメンやったし。」

「やっぱ、そこじゃないですか!ヴィンセントも居たのに振り回して。」

「…ヴィ、ヴィンセント??誰??」

「うわー酷ぇッ‼︎イケメンじゃないからって、名前まで覚えてないなんてッ‼︎香港の彼ですよ!」

「あぁ、せやな。。まぁ、アジア人でつるんでたし、ええやん。アジア人の中に欧米人1人やったらかわいそうやろ。てか、あのドイツ人が一緒にストリップ行ったら丸く収まった話ちゃうん??」

「それは間違いないですね。でも、彼は絶対行かないって言ってましたからね。」

「せやな。それにしても、怒りん坊はあかんで。」

「普段から、すぐ怒ったりしませんよ〜。ただ、Mさんとストリップに行くのがソフィアに行った目的ですからね。それなのに目の前にゴールが見えてるのにゴール出来ないコトにイラついてたのはありましたね。」

「頑固なんやね。」

「そうですね。割と頑固です。自分が納得するラインまで行かないとダメなんですよ。」

「ま、こうやって話せて良かったわ。何か勘違いしてたし、話聞いて納得したわ。これで会えへんかったら一生勘違いしたまんまやったもんな。」

「そうですね、話せて良かったです。やっぱ会うべくして、会うんですね。あそこのホステル泊まる予定なんて1ミリも無かったですから。」

「せやな。ま、この話は終わりにして仲良くやろう。一回ケンカした仲やしな!敬語も要らんで!」


あぁ、こうやって話せて良かった。

お互いに言葉だったり行動が不足してた部分があったから、勘違いしちゃったんだよな。


一回だけ会って、その人を判断するって、もったいないコト。

自分もよく第一印象や一回会っただけで判断されてしまうコトがよくある。

その一回で如何にイイ印象を与えるかってのも大事だけど、やっぱり本質を見るなら何回か会ってみないとその人は見えてこないんじゃないかな。

人なんて色んな側面を持ってるし、写真みたいに一瞬だけ切り出して、決定づけてしまうのはもったいない。


Mさんとも和解し、再び街をブラブラ。


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「私、先宿帰るわ。」

「お、おぉ…エネルギー切れやね。」

「もう、暑くてたまんない。」

「じゃあ、僕はその辺プラ付いて帰りますわ。」

「ウチもショッピングしてから、帰るわ〜。」

「じゃあ、また後で!」

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街の中をグルグル回り、地元の人たちの様子や燦々と照らす太陽の光を身体に浴びたりと特段何かするワケじゃないけど、充実感を覚えて帰路についた。


一旦、宿に帰ったはイイものの、昨夜壊れてしまった三脚の代わりを探しに行かなければ…


明日、プリトヴィッツェに行くなら尚更。

寝ていたキンちゃん、Mさんを起こさないように部屋を出て街中へ向かった。



2件のカメラ屋さんを回ったが、ダメ。

大きな電気屋に行こうとしたけど、残念ながら閉店時間になってしまったようだ。。



困ったな…とトボトボ歩いてると前を歩いていた4人組の内の1人が近づいてきた。

浅黒い肌にホームレス風の見た目。


「よう、チネーゼ(中国人)!」

「はいはい、日本人ね。」

「おぉ、日本人か。すまない。イタリア語はしゃべれるか??」

「少しね。」

「おぉ、しゃべれるのか!やるな。握手だ。」


汚ったない手を差し出してきて躊躇ったが、握手をした。

なかなか手を離さない。


「サッカーは好きか??日本のサッカーはスゴいよな!ナガトーモ!」


そう言って俺の足に足を絡ませて密着してきた。



この時点でようやくピンと来た。


あ……アレか………


勘のイイ皆さんなら、お気付きだろう…!



コレは完全にサンバスリの手口‼︎

握手をしたまま、俺の斜めがけのカバンの方に回ってきた。

カバンをモロに狙ってやがる!



手を振り払い、そいつの胸を思いっきりど突いてやった。


Mさんから受けたど突きの分も込めて!


あ、別に恨んでないですからね!


「その手口、知ってんだよ!」

「違う、違う!」

「下手くそ!このろくでなし!」


そう言ってやると、歯がないのが一層不気味さを増して、引きつった笑いを浮かべて仲間の下へと戻って行った。



ちくしょう、人は見た目じゃないって思って心開けば結局これかよ。

ろくでもないヤツは結局ろくでもないカッコしてらぁ。


あいつもジプシーとか、そっちの出身なんだろう。

見た目で判断すれば、そうだ。


偏見や先入観で人を判断しない人をこうやって騙してるかと思うとムカッ腹が立ってきた。


畜生ッ!!


でも、俺さっきイタリア語で全部やり取り出来てたなぁ。ろくでなし!まで。

イタリアに2ヶ月住んだ成果が出たな。

まさか、こんなカタチで使うとは思わなかったけど…!




宿に戻ると2人が起きていたのでまたサンバスリに遭遇した話をした。

「えー、クロアチアにもいるの?今日の昼間話してたばっかりなのにね!」

「身体を密着してくるから女の人は問題ないかもしれないですけど、気をつけてくださいね。一応頭には入れておいてください。」

本当にココ最近(前からなのかもしれないけど)、この手口を良く見るので、旅行に行く人はほんとに気をつけてください!

特にフレンドリーでオープンマインドな人は!


昨日も友達から連絡が来て、ブリュッセルでやられそうになったって言ってたし!




「ところでこの辺ってスーパーありますか??」

「そこの通りにあるよ。」

「じゃあ、ちょっと行ってきますね〜!」


ホステルを出て、教えてもらった通りを歩くがスーパーは見当たらなかった。

その周辺の道も見てみたがなかったので近くのバーでビールが買えるか聞いてみることにした。


どうやら閉店間際だったようで店は片付けの準備をしていた。

一本だけ買わせてとお願いすると1本だけ了承してくれた。

そこにいたおっちゃんが話しかけてきた。


「チネーゼか??」

「ジャポネーゼだよ。」

「おぉ!ジャポネーゼか!こんにちわ!」

「はは、良く知ってるねぇ。」

「日本が好きなのさ!サムライ、ハラキリ、ヨコヅナ‼︎」

「ホントによく知ってるね!」

「ココで飲むのか??飲んでけ!」

「じゃあ、飲んでこうかな。」


ホントに日本が好きなおじさんで、本物の日本人が目の前にいるなんて信じられない!と興奮していた。

彼の名前はダニエル。


「俺のワイフに電話するから変わってくれ!」

そういって、奥さんに電話したので、軽く挨拶をした。

「ワイフが信じてくれたよ!ぜひ、今度は俺の家に遊びにきてくれ!子供とワイフに紹介したい!」

「おぉ、それはありがたい!ぜひ伺わせてもらうよ!」


閉店時間を過ぎていた所に居座っていたので、そろそろと店員に追い出されてしまった。


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「今日はもう遅いから厳しいけど、今度ロックバーに行こう!」

「おぉ、イイね!行きたい!」

「職場の近くにあるから、ぜひ行こう!今日はすぐそこのバーで飲もう!」

「じゃあ、1杯だけ!」


バスターミナルの1階にあるバーで飲み直すコトに。


「ハハハ、俺は本当に日本人と居るんだなぁ!信じられないぜ、アメージングだ!」

「そんなに喜んでくれて嬉しいよ。俺も現地の友達が出来て嬉しいよ。」

「あぁ!友達なんかじゃない!兄弟さ!」


そこに横に居たおっさんが横槍を入れてきた。

クロアチア語で話していたので、俺には何を言ってるのかサッパリだったが、ダニエルの笑顔の裏から隠し切れない感情が出ているのが分かった。

会話が終わった所で席を立つコトにした。


「あのクソ野郎…ムカつくぜ。。殴ってやればよかった……」

「まぁまぁ、暴力沙汰は避けようよ。」

「そうだな…警察も政治もクソだ!全部、ぶん殴ってやりたい。でも、俺のこの拳は家族を守るためにあるんだ。」

学生の頃はボクシングをやっていたダニエル。

「この傷もこの傷も全部ボクシングで出来ちまったんだ。鼻も折れてな、曲がっちまってる。俺の青春はボクシングに捧げたんだ。」

「そうなんだね。英語で何て言うんだろう…名誉の傷跡…??」

「そうだな、そういうコトだ。」

「俺もカッとなると、すぐ手が出るから人には大きな声では言えないけど、拳で解決は良くないよね。それにダニエルのその手は家族を守るために今はあるんでしょ??良いコトじゃん!羨ましいよ。」

「あぁ、家族が居るって幸せだよ。まさか自分に家族が出来るとは思わなかったよ。」

「お前も早く家庭を持てよ!スゴく良いぞ!」

「そうだね、俺も家庭を持ちたいよ。でも、今すぐじゃなくて良いかな。まだ俺は家庭を作る前に自分を作っていきたいんだ。」

「そうか、今やってるコトは良い経験になるぞ。そんで、良い女捕まえろよ!」

「ははは、頑張るよ!」

「よし、もう1杯行くか??」

「いや、何だか飲み過ぎたみたいだし、明日早いから今日は宿に戻るよ。」

「酒じゃなくてもコーラでも良いぞ。」

「うん…行きたいけど、何だかホントに体調が悪くなってきてね。」

「そうか…」

「でも、今度ダニエルの家におジャマさせてよ!」

「あぁ、いつでもウェルカムだぜ!部屋とビールはちゃんと用意しておくからな!」

「スゴく嬉しいよ!ありがとう!!」

「ありがとうは無しだぜ、兄弟!!」

「はは、そうだね!!じゃあ、また今度!!」

「おぅ!!」


拳と拳をゴツンと合わせて宿に向かって歩き出した。


ダニエルのデカい拳の余韻が残ってる。


そうだよな。

この手は人を傷つけるためにあるんじゃない。

大事なモノを守るためにあるんだ。


俺の拳も傷跡が多い…

俺も大事なモノを守ろうとして、掌を握った。


でも、それが結果として周りを悲しませた。

どれだけの血と涙を流したんだろう。

他人だけじゃなく、自分自身も…


拳を握って守れるもんなんか無い。


単純なコトに気付かなかった。


この手は何かを包み込むためにあるんだ。


愛する人、友人、何でもそう…


拳を握ってしまったら、その人たちを抱きしめるコトは出来ない。


人に手を差し伸べる時も手を握っていたら出来ない。


俺にどれだけの人を、モノを守り、救うコトが出来るのかなんて分からない。


けど、これで1人は守れるようになったかな。



まだまだ、俺に守るモノなんて無いかもしれないけど、大事なコトに気付かせてくれたな。。


また1つ成長させてもらったよ、ありがとう。


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To Be Continued →

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