Day206 出会いと別れ、そしてやって来る再開〜線路は続く〜

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Day206 2014.6.2 ベオグラード〜ザグレブ


4:45、クロアチアザグレブに到着した。


外はまだ太陽の片鱗すら見えず暗闇が広がっていた。

朝はやっぱり冷える。



チェックインするには、まだ早過ぎる。

外のベンチが寒過ぎて、堪らずバスターミナルの中に逃げ込んだ。


バスターミナルの中でiPhoneを開くとWi-Fiが通っていた。


ザグレブなかなかやるな。

サクサクと快適に繋がって問題無し。

少し時間潰してから、宿に向かうか。



メッセージを返したり、ブログの下書きをしていたら、あっという間に時間が過ぎた。


いつの間にか時間は9:00を回り、太陽も十分に姿を現し、街が動き出す時間になっただろうと思い、のんびりと歩きながら、ホステルへ向かった。


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久しぶりにこのタイプの押しボタンみたな〜。懐かしい。



ソフィアやベオグラードと違って、気候も良く、広場で開かれている市場や曲がり角にある花屋を見ると人々の活気が感じられた。


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30分ほど歩いて、本日の宿に到着。


チェックインの旨を伝えると驚きの言葉が返ってきた。

「あぁ、あなたがヤスタカね。昨日、来ないから心配してたのよ。」

「え???」

「チェックインは昨日になってるわ。ほら、6月1日。」

「え???…ホントだ。。やっちまった…!」

「やっぱり間違えたのね。」

「間違えたみたいです。。」

「残念なコトに今日は満室なの。でも、疲れてるでしょ??14:00くらいまでなら、部屋を自由につかっていいわよ。シャワー浴びるなり休むなり好きに使ってイイわよ。」

「ホントですか??助かります!」

「もう、同じ部屋の人たちはチェックアウトしたから、自由に使って!」



ご好意に甘えて、シャワーを浴びて横になった。




次の宿の予約も済ませて、お礼を言って出た。


フレンドリーで愛想の良いスタッフだったなぁ。

設備もめちゃめちゃキレイだったし、普通に泊まりたかったなぁ。


バスターミナルから来た道を引き返し、改めて予約したホステルに向かった。


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荷物を降ろし、キッチンで作業を始めると隣の人のカバンから、黄色いバイブルが見えた。


そう、地球の迷い方歩き方。


ザグレブ観光も下調べをしてなかったので、何か知ってるか聞いてみた。


「すみません、もうドコか観光行きましたか??」

「あ〜日本の方ですか。観光はあんまり行ってないですね〜。今夜、友達が来るんで、観光はその後かな。あ、足臭くてすみません。」

「初対面でそれですか!」


また面白い系の人に会ってしまった。

キンちゃん。

2コ上のゆるゆる系姉さん。

しっかりしてそうなのに、本人の言う通り、話半分しか聞いてなくて、大体50%の確率で間違える。



すっかり話が盛り上がり、気付けば2時間が経っていた。

今日も何も食べてなかったので、街中へ出掛けようとすると、1人の女の子が話しかけてきた。

「日本人ですか??ハァ〜」


完全にエネルギーが抜け切っていて、目の焦点が合ってない。

だ、大丈夫か、このコ??


「大丈夫??疲れてる??」

「今朝、チェックアウトしたんですけど、夜の電車まで8時間あって、外に行ったんですけど、やるコトが無くて。」

「そうなんだ。だ、だいぶエネルギー使ったんだね。」

「本当にやるコトが無くて、トランプのゲームも30秒しか保たないんです!」

「そ、そうか…これからメシがてら、飲みに行こうかと思うんだけど、行く??」

「行きます!」


4コ下のアカリちゃん。

かなり不思議系の”ふわふわ”女子。

変なクスリをやってないコトを願う。

不審な行動が多く、観察対象には持ってこい。


キンちゃんとアカリちゃんと3人でザグレブのレストラン街へ向かった。


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イェラチッチ広場のイェラチッチ大先生。


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世界一短いケーブルカー!!

ウスピニャチャ

30秒で頂上まで到着するらしい。

階段なら5分で登れちゃうので、もちろん階段で。。

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階段を登り切った所から見える光景は……


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うん……


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聖マルコ教会。

モザイクタイルで描かれている紋章は、右側がザグレブ市、左側はそれぞれクロアチア王国・ダルマチア地方・スラヴォニア地方とのコトらしい。

レゴみたいでカワイイ。


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“石の門”

1731年の大火事の際に無傷で見つかったマリアさんが奉ってある。


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今日、泊まれなかった宿のスタッフが色々と情報をくれたので、それを頼りにお店を探した。


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何軒か教えてもらった内のMELI MADOというお店に入った。

“小さい熊”という意味のお店で自家製のビールが有名らしい。


自家製のビールも5種類あって、選ぶのに迷ったが、ハッピーアワー対象のビールにした。


「キンちゃん、どれにするー??」

「まずはこの真ん中のかな。」

「俺もそれにしよー!アカリちゃんは??」

「ビールあんま飲まないんですよ。普段はワインとかなんです。」

「じゃあ、ワインにする??」

「うーん、ビールで。」

「ビール…で、イイの??」

「大丈夫です〜。」

「飲めるんかい!」


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自家製ビールも美味しく、ググイッと飲んでしまい、ビール好きのキンちゃんとお代わり。


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それぞれ、違う種類のビールを頼んで、交換して、あーだのこーだの…


「これ、ダークビールなのにヒューガルデンみたいに香りが爽やかだねー!」

「そうだねー!これ飲みやすい!」

「これ歯医者さんの味します。」

「歯医者??」


味覚は人それぞれだからな。

きっと、それぞれの…うん…


二軒目に移動して、軽くご飯を食べながら飲み直した。


「そろそろ電車の時間だから行かなきゃ!どうしよう、もう時間がない…!」ハァッ

「大丈夫だよ、時間ピッタリには来ないから落ち着いて。」

「乗り遅れたら困りますよ〜!どうしよう!」ハッ

「これ飲んだら行こう。」

「荷物運ぶの手伝ってくださいね!」ハッ

「はいはい、了解です。」

「20キロあるスーツケースお願いしますね!」

「え、20キロもあるの??何入ってるの??」

「食器が…」

「食器20キロて…食器20キロて…」


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急いで宿に戻り、荷物をピックアップして駅に向かった。


「走ってください〜!」

「なかなか無茶言うねェ…」


20キロのスーツケースを抱えて走った。

息を切らして駅のホームに着くと電車が来ていた。

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無事に電車に乗り込むが、なかなか発車しない。


「やっぱ時間通りには発車しないね〜。とにかく間に合って良かった。」

「ありがとうございます!リュブリャナ来てくださいね!あと、プリトヴィッツェは絶対行ってください!」

「おっけー!行くよ!また連絡するね!」


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早く席に着きなと言っても、いつまでも電車の中から手を振っているアカリちゃん。

ようやく電車のドアが閉まり、15分遅れで出発していった。


電車がホームから離れ、段々とその姿が小さくなっていく。


数時間の出会いで、またこうして去って行く。


出会っては別れ…


この旅で何度こういった場面があっただろう。


せっかく仲良くなった人と別れてしまうコトがいつも惜しくて、何度も目を反らしてきた。


それでも、必ずやってきてしまう。


出会ったなら、必然と別れも一緒にやってくる。


俺はあと何回新しく人に出会い、別れていくのだろう。


その繰り返しが俺をまた作っていくのか。


それは分からない。


だけど、一度会った人との繫がりはきっと途絶えるコトは無いと信じたい。


この線路のようにドコまでもドコまでも続いていくんだと。


俺がシベリア鉄道の線路に乗ってココまで来たように。


駅のホームに挟まれた夜空に消えて行く電車の後ろ姿を見送った。


「あぁ、良かった。無事に乗れましたね…」

「良かった。ちょっと休んでから帰ろうか。」


帰り道にあったバーに入った。


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「そういえば、今日友達が来るんですよね??」

「何時くらいなんですか??」

「2:00か3:00くらいかなぁ。」

「変な時間に到着するんですねぇ。ドコから来るんですか??」

「ブルガリアのソフィアからだよ。」

「へ〜ソフィアは何も無かったっすねぇ。その友達とはドコで会ったんですか??」

「イスタンブールだよ〜。」

「………………ン……まさか、看護師だったり…」

「え、そうだよ。なんでわかったの??」

「まさか、Mさんって言いません……??」

「え、何で?何で??そうだよ、知ってるの??」

「やだやだやだやだ‼︎あの人と会いたくない!ソフィアでかなり振り回されたんですよ!もう二度と会うコト無いと思ったのに!」

「そんなヒドい目に遭ったの??」

「話せば長く、そしてくだらない所に落ち着くんですけど…」

カクカクシカジカ、あの日の話。

「そうなんだ。色々あったんだねぇ…」

「あぁ…どうしたもんか。。」


宿に向かう足取りが一気に重くなった。


別れれば、必然と再会がやってくる。

予期せぬ形で。

To Be Continued →

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