Day192 シベリア鉄道が運んだモノ〜イタリア沈没2ヶ月〜

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Day192 2014.5.19 ローマ再び31日目 


何をしなくてもやってくる月曜日。


月曜日は仕事や学校が始まり、憂鬱になる人が多くなるけど、俺の場合は逆で月曜は休み。

理由は無いけど、押し込められた日本での習慣がまだ自分の中にこびり付いているのか、ビール瓶の蓋を開けて少しの背徳感と一緒に飲み込んだ。

今日はゆっくり休もう。

夜になれば、まだ上着が必要だが、ようやく暖かくなってきたローマ。

暖かい日差しとビールの酔いで少し気分が開放的になってきた。



イタリアに入って、もうじき2ヶ月になる。


ミラノから入って、ローマ、ナポリへ行って、またローマへ戻ってきた。


イタリアも日本と同じく縦に長い国。


北と南では全然気質が違う。


同じ国なのかな??と思う程に。


ミラノは綺麗に整備されている部分が多いし、観光客も多く、人々の印象は都会そのもの。

人との間に距離を感じてしまい、あまり居心地が良くなかった。

そのせいもあって、1日で出てしまったな。


それに比べて、南のナポリは汚く、観光客もいるが地元の人や移民の姿が目立った。

それでも、人々はとてもフレンドリーで何かあればすぐに話しかけてくる。

路上をやっててもそうだし、飲食店に入れば店員さんが気さくに話しかけてくれる。

人との距離がとても近い街だ。

行く前はイタリアで1番危険な街だと多くの人に聞かされたけど、実際に行ってみて、そうではないと思った。

アントニオみたいに、とても親切で見返りを求めないような人も居たし、多くの学生が日本語を学んでいて何かあったらいつでも連絡をしてくれと声を掛けてくれた。


結局は人との出会いかもしれないけど、やっぱりミラノに比べて俺はナポリが好きだ。


そして、ローマ。

まさか戻ってくるコトになるとは思わなかったが、さすが永遠の都ローマ。

俺を掴んで離さないようだ。

イタリアの首都でありながら、今もなお多くの遺跡を擁し、夥しい数の観光客を毎日迎え入れてはいるが、それに負けないくらい地元の人たちのエネルギーも感じる。

特に日本からの観光客は危険だからと言って、夜間…どころか夕方以降の外出を避けるが、魅力的なのは夜の街。


2000年以上前に建てられた建築物がライトアップされて、それはもう筆舌に尽くし難い艶やかで幻想的な姿。

そして、人間の栄枯盛衰を無言で語りかけてくれる。



そんなローマでアパートを借りて生活を始めたのがちょうど1ヶ月前。

今日で、そのアパートの契約が切れる。

そろそろ、次の街へ行かなきゃな。


KさんとスージーOさんと出会い、まさかローマがこんなにも思い入れのある街になるとは思わなかったな。

一緒に過ごしたKさんとスージーOさんは、もう少しローマに残るとのコトなので、先に出発するコトになりそうだ。



次の街への目星は付けてある。


アジアとヨーロッパが交わる場所。


そこの街までどうやって行くか…


ヨーロッパにはアジアと比べて多くのLCC(ローコストキャリア)と呼ばれる航空会社が存在している。

せっかくならば、その恩恵を授かろう。



Skyscanner
というサイトを使って、格安航空券を探す。

日にち毎や1ヶ月の内どの日が1番安いかまで自動で検索してくれる便利なサイトだ。


ミーシャからイタリアの格安フライトをサーチするサイトを教えてもらったが、大元の航空会社のサイトに辿り着くと手数料がかなり取られるコトが分かったので、今回はSkyscannerで。


ギリギリまで動き出せない俺の性分が災いして、先日見た時よりも値段が上がっていた。

それも倍近く。



そっとパソコンを閉じた。



今日は調べるのをやめよう。


気分が乗らないコトを理由に現実から目を反らし、ベッドに身を投げた。


天井を見つめ、静かに目を閉じた。




今まで訪れたコトの無い街を訪れ、また新しい街を訪れる。


その度に終わりに向かっているような気がした。

まだ見たコトの無い世界を見たい。

俺の知らない世界に行ってみたい。


そう思って、飛び出した半年前。


知ってしまうコトが怖くて、何も調べずに鳥取からのフェリーのチケットとギターを握りしめて。

ウラジオストックに着いた時の右も左も…言語さえも通じない恐怖感。

しかしそれに勝る高揚感は半年経った今でも忘れるコトは無い。


何をトチ狂ったのか…本人でも分からないまま、雪に埋没した線路を走るシベリア鉄道に乗り、ロシアを横断したコト。

そこからフィンランド、エストニアを経由してスウェーデンでお金が底を尽き、路上に立った。


日本でも路上で演奏した経験なんて無かったのに、真冬のスウェーデンの路上に初めて立った。


今でも覚えている。


膝が震えた。


寒さから来る震えだけではない。


恐怖。


未知の行動に対する恐怖。


果たして人は聞いてくれるのか、反応してくれるのか。


そして、コインは入るのか…


これが成功しなかったら…


そこには終焉の文字しか無い。


日本に帰るお金はもちろん無い。


俺は自分の持ってる知識と技術で、自分の力で生き抜いてみせると息巻いて取締役の肩書きを捨てて日本を出てきた。


友人知人を頼れば日本に帰るお金くらいカンパしてもらえるだろう…


でも、俺は負け犬にはなりたくない。

野良犬だろうが負け犬には…






やれば出来る、やらなきゃ出来ない何事も。

俺が飛び込んだ世界はただの世界じゃない。


俺にしか出来ないコトをやってのける、そして俺には何が1番出来るのかを見極めるための挑戦する世界。


精神と時の部屋のような、俺だけの世界だ。


震える身体にそう言い聞かせて、ギターのコードをかき鳴らした。


雪が薄く積もる道の上で、頭上から力なく一筋の街灯が俺を照らす。


メロディーに気持ちを乗せて、声を出した。


通り過ぎて行く人々。



ギターケースにはお金はまだ無い。



コチラを振り返り止まってくれる人。


少し離れた場所から見てくれる人。


反応は様々。


これが良い反応なのかどうかは分からない。


初めての経験だから。


2曲ほど終え、北欧の寒さに指がやられ、温めるためにギターを置くと交差点の向かい側から見ていた人がわざわざお金を入れにきてくれた。


路上での初めてのチップ。



儚く照らしていた一筋の光がとても力強く感じた。


日本円にしたら、いくらかは覚えていない。

それでも、結果だけは残った。


やれば出来る。

挑戦したから、それに応えてくれる人がいた。


それだけで良い、金額なんかじゃない。


これがまた1つ自信になり、俺を作ってくれるんだ。







右も左も言葉も通じない場所に身を投じる。

そこには身体こそ大きいが、赤ん坊と変わらない自分が居る。

1日を無事に過ごすために、その場で少しずつ知識を蓄える。

必要な単語、道、通貨…


まさにサバイバル。


俺はこの感覚がとても好きだ。


日本に居たら味わうコトは出来ない。


生まれてこの方、日本に住み続け、当たり前となってしまったコトが国境を越える度に、数時間後には当たり前では無くなる。


また1から覚えて頭に入れなければ、生きていくのすら困難になる場面が幾度となくやってくる。



新しい街へ行けば、たくさんの経験や出会いがある。

しかし、それを繰り返せば、あの感覚がまた1つまた1つと無くなっていってしまう。

終わりが近付く度に。



人は経験が無いコトを卑下するが、経験が無いというコトは未知故の無知。


そこには可能性がある。


まだ知らない世界というのは可能性の宝庫。

自分を高みに連れて行ってくれる。



この先に何があるのか何て分からないが、可能性があるなら進んでいく。

俺はまだ見たコトも無い世界を見たい。


そして、そこで生きていけるか自分を試してみたい。




ゆっくりと身体を起こし、少しぬるくなった2本目のビールの蓋を開けた。

To Be Continued →

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