Day165 またまた日本人のパフォーマー現る!!〜高能力者ハイ〜ッ〜

Day165 2014.4.22 ローマ再び４日目　

「そういえば、昨日の昼に日本人のパフォーマーが居ましたよ。ニーニー」

「そうなんですか？？その人は何やってるんですか？？」

「路上で水晶玉転がしてたよ。ニーニー」

「あ〜、ヨージさんがやってたコンタクトボールですか？？」

「そうそう、フォリ・インペリアリ通りでやってて、今日も居るって言ってたよ。ニーニー」

「へ〜、後で見に行ってみようかな〜。」

仕度を済ませて、フォリ・インペリアリ通りへ向かった。

俺も歩行者天国となったココ、フォリ・インペリアリ通りでやろうかと思ったけど、どうもココは向いてなさそうだなぁ。

道幅が広いし、拓けてて音が跳ね返るモノが無い。

イースターのおかげで人はいるけど、これじゃ夜まで声が保たないなぁ。

フォリ・インペリアリ通りは難しいと判断して、Kさんに挨拶だけして飲み歩く人が増える時間帯までトレビの泉の近くでやるコトにした。

相変わらずココも物売りのバングラデシュ人の物売りが多い。

いつものポジションとなったマクドナルドの前で準備して演奏を始める。

するとすぐに１人のバングラディッシュ人が近付いて来た。

「そこは俺の場所だ。向こうでやれ。」

「誰も居なかったじゃないか。」

「ココはずっと、俺の場所なんだ。」

「何言ってのか意味分かんないよ。わかったよ、少しだけズレるわ。」

めんどくさいなぁ。。

この問題については後日改めてするコトにしよう。

もう、怒るとかの次元じゃなくて呆れるよ。

一悶着ありつつ、演奏を始める。

イースター期間というコトで人通りはあるが、通る人のほとんどがツーリスト。

足を止めてくれる人も多いが、そのほとんどが写真だけバシバシ撮って、そのまま行ってしまう。

ヒドい時なんて、丸々１曲ビデオに収めて、声も掛けずに行ってしまう。

お金はともかく、一声かけてくれるか親指立ててくれれば気分も上がるんだけどなぁ。。

そんな感じで心折れかけていると、歩行者天国終わりのKさんが自転車と日本人を引き連れてやってきた。

「調子はどうですか？？ニーニー」

「さっぱりですよ。ツーリストばっかりで…」

「こっちもボチボチで、歩行者天国も終わったので、やってきました。そうそう、昨日話した”よいちくん”です。ニーニー」

「お、ウワサの！」

「はじめまして、吉屋太一です。」ﾌﾝﾌﾝ

「よいちくんも路上でやってるんだって？？」

「はい、コンタクトボールとマジックやってます。」ﾌﾝﾌﾝ

話してみると、なかなかの爽やか具合の好青年。

よいちくんはヴェネツィアの大学に留学している学生だ。

彼は昔からマジックが好きで大学でも同好会に所属していたり、マジックバーで働いているらしい。

そんな彼がローマに来た理由は1つ。
サーフェイス(パソコン)を買うためだ。

というのも彼も持っていた電子機器が全て壊れてしまい、手元に何も持っていないそうだ。

そこで、路上ライセンスが切れたヴェネツィアからローマに出稼ぎにやってきたそう。

なんだか親近感が湧くなぁ。。

「いや～実際金のためにきました！僕は金の亡者なんですよ！金のためなら一生懸命働きます！ココでやってイイですか？？」

「お〜、なかなかの言いっぷりだね！どうぞどうぞ!!」

休憩しつつ、よいちくんのパフォーマンスを見学させてもらった。

メインはコンタクトボールという水晶玉を空中で固定(させてるように見せる)させるパフォーマンスで、他にも手品をやる。

慣れた手つきでコンタクトボールをコロコロと身体に這わせる。

「おー、なかなか上手ですねぇ。そうだ、コラボしてみようよ！ニーニー」

「いきなりですね〜！」

「イイですね〜、やってみましょう。」ﾌﾝﾌﾝ

急造ではあるが、大まかな流れを確認して、３人でコラボしてやってみるコトにした。

俺の歌をBGM代わりに…

Kさんのマジック！

よいちくんのコンタクトボール！

Kさんのマジック！

よいちくんのマジック！

日本人３人組が路上でパフォーマンスをしているのが珍しいのか、なかなかな人数の人が足を止めて見てくれている。

「よし！僕、これイキます!!」ﾌﾝﾌﾝ

そう言って、興奮気味にカバンの中から手袋を取り出した。

そして、急に手袋を頭に被りだした。

「あ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”　……ッッ!!」

奇妙な声を漏らしながら、口から吸い込んだ空気を鼻からフンフンと出して、猛烈な勢いで手袋を膨らませ始めたッ…

目の前で起こっている出来事が何なのか認識するまで時間がかかり、ギターと歌のリズムが崩れた。

え、何？？何が起きたの？？

目の前で奇妙な動きを繰り広げるよいちくん、彼のテンションをそのまま表しているのか、頭に被った手袋はどんどん膨らんでいく。

「あ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”　……ッッ!!」

あ”〜あ”〜、あれだ！エスパー伊藤がやってるヤツだ!!

「あ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”　……ッッ!!」

ボフンッ!!

ジャンプと同時に破裂した。

ハァハァハァハァ………

何秒経ったのだろうか…その場に居た観客、いや俺たちでさえ、目の前で何が起こったのか理解するのか時間がかかり、その場の時間が止まっていた。

「グラッツェ、ありがとうございました!!」ﾌﾝﾌﾝ

「あ…ありがとうございました！」

…………………………………パチ、パチ、パチパチ…!!

まばらに拍手が始まり、呆気に取られた観客たちがケースにお金が入る。

「ドヒャヒャヒャヒャヒャ!!何コレ!!ニッニッ」

「す、すげぇ…」

「これ、チキンマン…ハァハァ…って言うんですよ…ハァハァ…テンション上がると…ハァハァ…やっちゃうんです…ハァハァ…」ﾌﾝ−ﾌﾝ−

「俺もギャップの塊って、よく言われるけど、よいちくんもなかなかのギャップだね。。」

思い返すと笑いが止まらない…!!

「明日もフォリ・インペリアル通りで昼くらいからやってますんで、よかったら明日またお会いましょう！」

「そうだね、連絡するよ！」

「あ、連絡は出来ないんです。。電子機器が全部…」

「そうだった！また明日見つけるよ！」

また面白い日本人パフォーマーに会ったな。。

何て言うか奇妙なんだけど、爽やかというか……

やっぱ奇妙なヤツだ……

To Be Continued →